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中国
【新エネルギー】

中国政府がPV産業に「カンフル剤」注入 (13/07/19)
2013/7/25
中国【新エネルギー】

 中国は2015年の太陽光発電設備容量の目標を引き上げたが、このことがPV企業への「カンフル剤」になることは間違いない。生産設備過剰や世界的需要の鈍化、国際貿易紛争等の影響で、中国のPV企業はいずれも経営難に陥っている。国務院は先日、2015年の太陽光発電総設備容量を3,500万kW以上とし、2013〜2015年における新規太陽光発電設備容量を年間1,000万kW前後にするよう努めると発表した。従来の2015年目標は2,100万kWであり、2012年の太陽光発電総設備容量は約700万kWであった。

 中国はこれまで太陽エネルギー発電の大規模増設計画を度々発表してきた。2010年には2020年の設備容量を2,000万kWとする計画を打ち出したが、2012年にはその目標値を2,100万kWに上方修正していた。

 目標引き上げは中国のPV企業にとって朗報であり、国内事業からの受注が増えるだろう。中国のPV企業は世界のソーラーパネルの半分以上を供給している。

 ここ数年、PV製品価格の下落、競争の激化、欧米の太陽光発電事業に対する融資の減少などで中国のPV企業は打撃を受けている。欧州と米国は中国PV企業にとって最大の顧客である。

 国務院はPV企業をめぐる問題を深刻に認識し、一連の支援措置を重ねて打ち出した。小型太陽光発電システムの推進、老朽化した過剰生産設備の淘汰、補助金政策や土地利用面での支援政策整備、市場システムを生かした企業のM&A促進などが挙げられる。しかし、中国政府のPV企業に対する支援は一貫して貿易紛争の核心的問題であり、そのため中国は欧米と対抗する立場に置かれている。

 ウエストバージニア大学のUsha C. V. Haley氏とニューヘブン大学のGeorge T. Haley氏は共同執筆論文の中で、中国の太陽光発電産業がこれほど高い水準に発展したのは政府の大規模援助の賜物であるとの見方を示している。特に2008年以降、中国の太陽光発電産業は国の援助によって10倍に拡大した。しかしながら、中国政府は最近になってPV企業への援助を大幅に減らしたため、多くの企業は破産の危機に瀕している。

 (中国産業研究網 7月19日)