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【新エネルギー】

【論説】分散型エネルギー開発が可能にするエネルギーの自由 (13/08/02)
2013/8/9
中国【新エネルギー】

 在来型エネルギーは、石炭、石油、天然ガスなどいずれも鉱物源の制約のため分散型開発は不可能である。これら鉱物エネルギーは巨額の資本と高度に集中した制御システムによって採掘、加工、輸送を行う必要がある。エネルギー産業には資本集約型という特性があるため、個人の能力が及ぶものではなく、世界的に見ても国有独占資本に集中するのが基本形である。巨額の資本投入は巨大な産出によって帳尻を合わせることが必要であり、そのため炭鉱、油田、ガス田の開発においてはいずれもスケールメリットを追求しなければならない。

 火力発電の電力は発電所から末端ユーザーへの一方通行であり、不可逆的である。こうしたエネルギーシステムにおいては、個人が立ち入ることの出来る余地は根本的にない。末端ユーザーは受動的に受け入れることしか出来ず、選択の自由はない。価格交渉を行う権利もなければ、発電する可能性もない。一方、在来エネルギーとは対照的に太陽光発電や風力発電に代表される新エネルギーは分散型開発に適していることが際立った特徴になる。分散型とは集中型発電所に対応する言葉であり、ユーザーサイドにシステムを建設し、生産した電力を主に自家用にして、余剰電力を売電し、夜間は電力網から電力を購入する形である。分散型の特徴として、容量が小さいこと、電圧が低いこと、負荷に近いこと、配電網に連系するので電力網に対する影響が小さいこと、工場、公共建築物や住宅の屋根に応用できることなどが挙げられる。中でも太陽光発電の場合、分散型の特性が際立っている。太陽の光と、屋根、ゴミ置き場、砂漠、塩性・アルカリ土壌地、浜辺などの空き地さえあれば太陽光発電所として利用することが出来る。小は数ワットから大は数メガワットまで規模の制約はなく、資金の制約もない。原則として、一般人でも屋根や空き地さえあれば、太陽光発電所の所有者になり、電力の消費者から生産者に転じることが出来る。新エネルギーの分散型開発という特徴はエネルギーの自由を可能にするのである。

 (北極星太陽光発電網 8月2日)