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【省エネ・環境】

中国電力企業聯合会がPM2.5火力発電所元凶説を否定 (13/08/14)
2013/8/22
中国【省エネ・環境】

 火力発電所がスモッグとPM2.5の元凶であるの風説に対し、中国電力企業聯合会の王志軒事務局長は、火力発電所の石炭燃焼が多いからといって排出量も多いということにはならず、排出量が多いからといって汚染が大きいということにはならないと指摘し、中国の石炭火力発電所は汚染抑制の面で非常に大きな成果を上げていると述べた。

 王志軒氏によると、PM2.5の形成には自然要因もあれば、人為要因もある。都市集中エリアや自動車の排気ガスは比較的重要な汚染源である。その他にも都市郊外のくずわらなどバイオマスの燃焼もPM2.5の重要な発生源に一つになる。PM2.5の濃度は大気拡散条件と密接な関係があり、都市は建築物が密集しているために風速が弱まることも、局地的にPM2.5の濃度を高める原因になる。しかし、火力発電所のPM2.5排出は決して大きいわけではない。

 王志軒氏は次のように説明した。中国の石炭火力発電所は汚染抑制の面ですでに極めて大きな成果を上げている。現在、中国の石炭火力発電所の煙塵排出量は年間150万トンであるが、1980年は約400万トンであった。ここ30年余り、中国の石炭火力発電設備は十数倍に増えたが、煙塵排出量は大幅に低下した。電力事業の二酸化炭素排出量は2005年の1,300万トンから2012年には883万トンに下がり、窒素酸化物排出量も900万トン余り下がった。しかし、この数年間、電力事業の汚染物排出量は下がったのと時を同じくして、スモッグが徐々に深刻化した。石炭火力発電所の排出がもっと多かった時期には深刻なスモッグは発生していなかったのである。したがって、スモッグに火力発電所が直接関係するとの説は成り立たず、石炭火力による排出がPM2.5の原因であると単純に見なすことは出来ない。問題は石炭火力から排出する汚染物が有効に管理されているかどうかである。現在中国の石炭火力発電所はすべて煙塵濾過装置や脱硫・脱硝装置の設置が求められている。中国の排出基準は今では先進国に比べても厳しい。例えば、一世帯の石炭カマドは1日に10数キロの石炭を燃焼し、1つの小区の工業用石炭火力ボイラーは数トンの石炭を燃焼し、周辺環境への影響も大きい。北京の石炭火力発電所の石炭燃焼は北京全体の4.13%を占めるが、粒子物の排出量は北京の総排出量の10万分の5に過ぎない。したがって、こうした比例関係を見る限り、火力発電所のPM2.5に対する影響は比較的小さいものに過ぎす、火力発電所がPM2.5の元凶であるとの説には同意できない。

 (中国電力網 8月14日)