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【新エネルギー】

温州中科新能源が「下水油」からバイオディーゼルを精製するコアテクノロジーを開発 (13/09/05)
2013/9/13
中国【新エネルギー】

 温州中科新能源科技公司は「下水油」からバイオディーゼルを精製するコアテクノロジーを開発し、3万トンのバイオディーゼル生産規模を形成した。同公司のバイオディーゼルはすでに温州市のバスや工業用ボイラーに利用されている。温州中科新能源の張鳳会長によると、同公司は2.1億元を投じてこのバイオディーゼル生産基地を建設し、廃油の買取から濾過、反応、蒸留等の工程により、下水油をわずか6時間で一般の軽油に匹敵する新型クリーン・エネルギーに変えることが出来る。温州中科新能源のバイオディーゼルは一般の軽油よりもトン当たり約800元も安い。

 近年、温州市の多数の企業が飲食産業の廃油を利用する新エネルギーの開発を進め、バイオディーゼルに代表される新エネルギーは温州で急速に台頭している。温州では中科新能源だけでなく、浙江合坤生物能源科技有限公司も飲食産業の廃棄物を活用するバイオ天然ガス事業を稼動させている。この事業は、ゴミ埋め立て地から発生する埋設ガスと飲食産業の廃棄物を利用してバイオディーゼルを製造するとともに余剰の有機物の発酵によって発生するメタンガスから浄化・精製を経てバイオ天然ガスを生産し、自動車の燃料とするものである。さらに、温州市華生源環保科技有限公司も飲食産業廃棄物の資源化事業の建設を進めている。

 温州市発展改革委員会の統計によると、同市の比較的大きい規模の飲食店は7,000軒近くに上り、小型の食堂も加えると、同市の飲食店は8,000から9,000軒になる。市の常住人口1人当たり毎日0.1キロの飲食廃棄物が発生するとして試算すると、市区だけでも1日に300トン以上の廃棄物が発生する。温州中科新能源の張鳳会長によると、同公司は110トンの「下水油」を100トンのバイオディーゼルに転化することが可能である。不完全な統計ながら、市区で毎日発生する下水油などの廃油は100トン程度であり、転化率を90%とすると、90トンのバイオディーゼルに転化することが可能になる。もっとも、温州の再生可能エネルギーにも「成長の悩み」が付きまとう。廃油の回収が困難であることや、多数の「地下ゲリラ」と油を奪い合わねばならないことがある。また、バイオディーゼル等のクリーン・エネルギーが市場の「寵児」になるにはまだまだ長い歩みを要する。

 「新たに立ち上げられたクリーン・エネルギー企業がより良い歩みを踏み出せるようにするには、飲食産業廃棄物の十分な回収を保証しなければならない」。温州市発展改革委員会の関係者が明らかにしたところでは、《温州市区飲食産業廃棄物管理弁法》が今年2月1日から施行されるとともに、市政府部局もバイオディーゼルの推進策を前向きに検討している。

 (温州網 9月5日)