9月22日、国務院は《炭層ガス（炭鉱ガス）回収利用のさらなる加速に関する意見》を公布して、炭層ガスの利用に対する政策を強化し、財政、税制、価格など様々な面から支援することになった。

　「現段階ではシェールガスよりも炭層ガスの方が身近だ」とアモイ大学エネルギー経済研究センターの林伯強主任は言う。取材した業界関係者の多くも、当面は炭層ガスの開発と利用が必然的な選択肢になるとの見方を示した。

　今回の意見書は炭層ガスの開発と利用に対する補助基準を引き上げることを明確に打ち出している。国務院によると、回収利用コストや市場販売価格等の要素を総合的に考慮して、炭層ガス（炭鉱ガス）の開発と利用に対する中央政府財政からの補助基準を引き上げ、企業の積極性を引き出すことになる。具体的な補助基準は財政部が発展改革委員会や能源局等の部門と共同で策定する。

　炭層ガス補助金については策定中との情報が昨年末から流れており、シェールガスよりも高い補助基準になるとの予想もあった。財政部の《シェールガス開発利用助成政策に関する通達》によると、2012〜2015年のシェールガス採掘に対する補助基準は0.4元/m3である。

　中央政府財政からの炭層ガス補助基準は現在0.2元/m3であり、これは2007年から施行されている。一部の地方政府は炭層ガスの開発利用に対して0.1元/m3の追加補助金を交付している。また、同意見書によると、炭層ガスの市場価格決定メカニズムをさらに整備することになる。意見書は各地方に対し炭層ガス出荷価格自由化措置を厳正に実施し、地方政府が管理を行っている場合は可及的速やかに価格の自由化を進めるよう求めている。炭層ガスが未だ都市ガス網に供給されていない場合は需給双方が協議した上で炭層ガス販売価格を決定し、すでに都市ガス網に供給されている炭層ガスの販売価格については、同カロリーの天然ガス価格を下回らない価格で確定する。炭層ガスの市場化プロセスは目下着実に進展しており、今年の非民生用天然ガス価格の調整に伴って、炭層ガス販売価格も若干調整されることになる。

　（毎日経済新聞 9月23日）