米国エネルギー情報局（EIA）の発表した統計によると、急速な経済成長と旺盛な自動車販売により、中国は今年9月、米国を超えて世界最大の石油純輸入国となった。中国の石油消費は生産量を630万BD上回っており、中国は不足分を補うため、大量の石油を輸入する必要がある。EIAの予測によると、こうした傾向は2014年まで続く。

　統計によると、9月期の米国の石油及びその他の液体化石燃料消費量は1,860万BDで、中国は1,090万BDであったが、米国の石油生産量1,250万BDに対し、中国の生産量はわずか460万BD。水力破砕など採掘技術の大規模な運用により米国の石油生産量は絶えず増加している。国際エネルギー機関(IEA)の2012年石油見通しによると、米国は2017年にはサウジアラビアに取って代わる世界最大の石油生産国になる見込みである。

　一方、中国の石油生産量は長年にわたり2億トンの水準が続いている。石油化学工業聯合会のデータによると、2012年の中国の石油見掛け消費量は4.92億トン、通年の原油生産量はわずか2.07億トンであり、対外依存度は57.8％に達している。石油対外依存度の上昇は中国のエネルギーセキュリティにとって深刻な脅威となっている。もし中東情勢が動揺し国際石油価格が高騰すると、中国の経済発展のコストも増加する。反面、大量の石油消費は中国の環境に莫大な負の影響を及ぼしている。2013年からスモッグが多発するようになったが、特に自動車排気ガスは軽視できない要因である。政府は天然ガス自動車、電気自動車やハイブリッド車等の発展を推し進めているが、中国の石油消費の継続的な増加傾向を短期間で緩和させることは恐らく不可能である。陸上油田の生産量を見る限り、中国の主力ガス油田は基本的に平衡的発展を維持するだろう。大慶油田は長年にわたり原油生産量4,000万トン程度を維持し、中国石油天然ガス(CNPC)の予測によると、このような生産量は2020年まで続く。中国石油化工(SINOPEC)最大の油田である勝利油田の今年の石油ガス生産量は石油換算で2,795万トン、ほぼ昨年並みである。2大油田の生産量はすでに頭打ちになり、長期的には漸減の局面にある。こうした現状の下で、国内生産量を増やす方法として、海洋石油開発がますます重視されるようになっている。

　中国海洋石油(CNOOC)は中国近海25の鉱区を外国との共同開発に供することになる。共同開発が計画されている鉱区には、渤海湾や東シナ海など伝統的な近海石油ガス鉱区もあれば、南シナ海の多数の未開発鉱区もある。今のところ、中国の一部海上鉱区の公開入札の進展状況は不透明であるが、中国の旺盛な石油需要と増産圧力の下で、海上油田の開発が加速される公算である。

　（中国国際入札網 10月11日）