中国は1980年代にエネルギーセキュリティ戦略の見地からバイオディーゼルの研究を開始したが、実際の生産は21世紀初頭になってからである。2005年に中国のバイオディーゼル産業は急速な発展段階に入り、特にここ2年、エネルギー逼迫問題の深刻化に伴い、中国の政府、研究機関や関連企業はバイオディーゼルの大規模生産をより一層重視することになった。生産技術に関しては、従来の動植物油脂によるバイオディーゼル生産技術はすでに成熟している。一方、微生物による生産は新たなバイオマスディーゼル生産技術であり、生産効率をどのように高めるかは、中国のみならず、世界各国にとっても解決を要する問題である。

　中国のバイオディーゼルメーカーの多くは民営企業であり、主に飲食業の廃棄油脂を原料としている。生産能力は年間約150万トンであるが、実際の生産量は30〜50万トン前後に過ぎない。企業の稼動率は極めて低く、赤字は業界全体に広がっている。政府は支援と奨励のために優遇措置を打ち出したが、効果は微々たるものである。

　（中商情報網 10月28日）