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中国
【新エネルギー】

スモッグ問題解決の救いの星として風力発電に期待 (13/12/02)
2013/12/8
中国【新エネルギー】

 11月26日、冀北(河北省北部)電力網の風力発電瞬間発電電力は349万kWに達し、過去最高を記録した。11月27日の風力発電発電量は過去最高の7,964万kWhに達し、同日の電力使用量の18.8%を占めた。現時点で冀北電力網の風力発電設備容量は666.6万kWに達し、電力網の総設備容量の34.6%を占める。また、年間風力発電量は115億kWhに上る。冀北電力網は、風力発電の設備と発電量のいずれにおいても国家電網系の省クラス電力網の中で第2位を占める。

 河北省の風力発電の発展は中国北方のエネルギー構造調整にとって重大な意義を有する。河北省の在来型エネルギー消費の比率を徐々に引き下げるだけでなく、中国の風力発電事業にとって大きな模範的意義を示すものである。北方地区のスモッグ問題を根本的に解決するためには、風力発電は最も重要な一環の一つになる。風力発電はスモッグ問題解決の救いの星になると期待され、太陽光発電やガスとともにクリーン・エネルギー産業の発展と拡大に大きな貢献を果たす。

 河北は中国の環境問題の「重度被災区」である。在来型鉄鋼大省である河北省は石炭に対する依存度が極めて高い。河北省は鉄鋼産業に対して、厳正な電力措置、融資措置、環境保護政策を採用しており、石炭需要量は徐々に下がる傾向にあり、大気汚染問題も次第に改善する見込みである。河北省がこれを機に太陽光発電産業と風力発電産業の発展に力を入れることは肯定的に評価できる。新エネルギーは現地の電力供給の保障を直接サポートし、系統連系効率の向上によって風力発電の機会損失電力などの問題も有効に解決されている。

しかしながら、河北省のエネルギー構造調整の任務には極めて困難なものがあり、北京に近いという「先天的劣勢」によって河北省各地の汚染問題は人為的に拡大され、重工業都市の産業構造調整対策はより多くの難題に直面することになる。地方政府と国有企業による妨害もさらに深刻化し、風力発電工業団地にはもっとシステマティックな計画配置が必要である。風力発電設備製造基地には最早大規模拡張の必要はないが、風力発電所の建設規模は依然大幅に引き上げる必要がある。

 《2013〜2017年河北省風力発電事業投資分析及び見通し予測報告》によると、河北省は国の新エネルギー産業発展支援という有利なチャンスを掴んで、風力発電産業を産業発展の重点の一つに位置付け、様々な支援政策を次々と打ち出して、国電、華能、国華、龍源、大唐、中節能等の大企業を相次いで誘致した。第1期風力発電事業の着工に伴って河北省の風力発電設備の規模は拡張が続いた。省エネ・環境保護型の新エネルギー開発は大勢の赴くところであり、河北省の風力発電産業は歴史的な発展のチャンスを迎えている。

 風力発電設備の国産化と大規模化に伴い、風力発電コストはさらに下がる見込みであり、風力発電産業はますます多くの投資家を引き入れる。今後、河北省は、張家口と承徳ダムにおける風力発電開発を急ぎ、滄州、唐山、秦皇島の沿海大型風力発電所の開発を進めて、風力資源の開発と利用を加速させることになる。

 (北極星電力網 12月2日)