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【石炭】

石炭輸入零関税で中国石炭産業の改革加速も (13/12/24)
2013/12/27
中国【石炭】

 財政部が先日公布した《2014年関税実施方案》は、2014年に各種石炭に対して0%の暫定輸入関税率を適用することを明確にしている。業界筋によると、これにより中国石炭産業の市場化に向けた改革が加速される可能性もある。

 近年、中国の石炭輸入は急増している。税関総署の統計によると、2011年の石炭輸入量は1.8億トンであったが、2012年には2.9億トンに達した。専門家の予測によると、2013年の輸入量は3.2億トンに達する見通しである。一方、中国の石炭需要の伸び率は下がっている。中国煤炭工業協会経済運行部の王戦軍部長の予測によると。2014年の中国の石炭消費量の伸び率は大幅に下がり、約3%になる。そのため、石炭の生産能力過剰、価格下落、赤字企業の拡大は不可避である。

 内蒙古石炭交易市場有限公司の師秋明総経理によると、華東や華南など沿海部の発電所は輸入炭を使用できるようボイラーの改造を進めており、輸入炭はすでに「剛性」需要になっている。業界関係者によると、輸入炭と国産炭の採掘コストに大きな差がないのにも関わらずオーストラリアやインドネシアの石炭が国産炭よりも安いのは、中国の石炭企業の税・費用負担が重く、また、国有石炭企業の経営管理コストも極めて高いからである。加えて輸入炭には零関税が適用される。2014年も世界石炭市場において供給が需要を上回る状況が続き、たとえ輸入炭価格が上昇したとしても、中国沿海部の輸入炭のシェアはさらに増加するに違いない。輸入炭の衝撃は中国石炭産業に対し、市場化に向けた改革を加速するよう迫ることになるだろう。山西等の主要産炭地は「従価徴収」による石炭資源税改革を試験的に進め、中国の石炭市場に活力を注入しようとしている。

 先日開かれた「2014年度石炭交易大会」において、中国の石炭企業と電力企業は価格インデックスや先物など新しい石炭交易モデルの模索に前向きであった。

 中国煤炭工業協会の王顕政会長は、石炭の市場化改革においては、商品炭品質標準体系、全国石炭市場交易体系、石炭市場価格発現メカニズムや石炭・石油・ガス比較価格関係など、様々な作業を模索しなければならないと指摘する。

 (中国鉱業報 12月24日)