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中国
【石炭】

2014年は石炭産業の過剰生産能力消化の一年に (13/12/24)
2014/1/8
中国【石炭】

 2014年は輸入炭の衝撃は大きくないものの、国内の過剰生産能力と在庫圧力には依然として大きいものがある。

 2013年の中国の原炭生産量は約37億トンに達し、生産能力は42.2億トンに達して、生産能力利用率は87.7%に下がる。2010年から2012年にかけ、大手グループ企業の生産量が全国総生産量に占める比率は70.88%から76.3%に上昇した。企業の大型化傾向は引き続き強まっている。合併再編は市場化方式によって引き続き推進されるが、鉱産量の統合は産業の景気下振れの影響で圧力を受ける。

 海外石炭価格はすでに均衡価格に達し、輸入炭による圧力は緩和される見込みである。2014年に石炭輸入が大幅に増加することはないと予想されるが、石炭在庫は依然大きい。

 2014年は環境保護と川下の生産能力解消圧力が大きくなり、需要は引き続き鈍化する。2013年9月、国務院は《大気汚染防止行動計画》を示達したが、それ以降、各省は相次いで《大気汚染防止行動計画》の実施細則を公布した。こうした細則には、石炭を他のクリーン・エネルギーによって代替すること、石炭消費を減らすこと、石炭の川下産業の老朽化生産能力の淘汰を加速することなどが盛り込まれている。2014年の電力事業の石炭消費量は21.6億トン(6%増)、鉄鋼産業の消費量は7.28億トン(4.7%増)、セメント産業は5.7億トン(6.4%増)になる。新型石炭化学事業も急速に発展しているが、その比率は今のところ極めて小さく、産業の需給構造を変えることは未だ出来ない。2017年には石炭化学工業の石炭消費量は3.1〜3.5億トンに達すると予想されるが、今のところ完成済みの規模は小さく、石炭消費量は年間3,000万トン足らずでしかない。

 2014年は石炭生産能力の利用率が小幅の上昇を示し、産業景気は安定に向かう。

 2014年の石炭新規生産能力は約2.2億トン、老朽化生産能力の淘汰は7,000万トンになり、石炭産業の生産能力は43.7億トンに達すると予想される。生産量は前年比4.7%増の38.7億トンになる。2014年の全国の石炭生産能力利用率は88.7%になり、2013年より1ポイント強高くなる。産業の需給状況は今年に比べわずかに好転する。資源税改革は迫っており、諸費用の整理と新規税目を立てることが鍵になる。2013年の各上場石炭公司の中間統計によると、資源税の税率を5%に調整すると仮定した場合、上場石炭公司の2013年のEPS(一株当たりの純利益)への影響は−13.4%から−86.7%になる。石炭企業にとって、税負担をコストに転嫁できるかどうかは、川下産業との価格交渉能力に左右される。当面の産業の景況の下では、完全に転嫁するのは現実的ではない。従って、石炭企業は税負担の上昇によるコストの一部を負担しなければならず、産業の収益は下振れリスクに直面する。

 (英大網 12月24日)