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【石油・天然ガス】

中露天然ガス交渉が妥結に近付くも価格は未定 (14/01/08)
2014/1/16
中国【石油・天然ガス】

 最近の報道によると、中露天然ガス交渉はすでに妥結に近付いているが、中国証券報の記者が中国石油天然ガス集団(CNPC)関係筋から得た情報では、天然ガス価格をめぐる中露交渉は依然続いている。

 価格は未だ最終確定せず

 中露間の天然ガス交渉はすでに10数年の長きにわたって続けられているが、価格は一貫して中露間の最大の溝として横たわってきた。CNPCの幹部が以前表明したところでは、ロシアは欧州へ年間1,000億m3の天然ガスを輸出しているが、もし中国向け価格を欧州向け価格よりも低くすると、ロシアにとっては圧力になる。一方、中国も他の諸国から天然ガスを輸入しているので、もしロシアからの輸入価格を他の国からの輸入価格よりも高くすれば、CNPCにとっても巨大な圧力になる。

 CNPC関係筋が中国証券報記者に明らかにしたところでは、中露間の天然ガス価格は未だ最終的に確定しておらず、その上、発展改革委員会の承認を得なければならない。

 「我々の知るところでは、中緬ガスパイプラインのCIF価格は12ドル/MMBTUだが、中露間の価格は未だはっきりしない」と安迅思息旺能源の天然ガスアナリストである王瑞●氏は言う。

 公開資料によると、中国が中央アジアから輸入するパイプラインガスの中で最も高いのはトルクメニスタンの天然ガスであり、価格は概ね9ドル/MMBTUになる。ウズベキスタンの天然ガスは8ドル/MMBTU、カザフスタンの天然ガスは3ドル/MMBTUである。

 昨年末に出された《輸入天然ガス優遇課税政策の調整関連問題に関する通達》によると、2013年7月1日からLNG販売価格は31.45元/GJに引き上げられ、パイプラインガスは1.11元/m3に引き上げられた。また、天然ガス輸入の付加価値税還付の比率は引き下げられた。輸入価格を2.0〜2.2元/m3として試算すると、依然1元/m3近くの逆ザヤになる。

 中国の輸入ガス源が多元化

 ロシアの天然ガスは欧州市場において長期にわたりヘゲモニーを占めているが、米国のシェールガス革命以降、安価な米国炭が大量に欧州市場へ輸出されるようになり、EUの発電企業は次々と天然ガスを放棄して石炭火力発電に転向することになった。同時に欧州の輸入ガス源も日増しに多元化が進んでおり、Gazpromに対する依存は弱まりつつある。

 一方、中国はすでに中央アジア及びミャンマーとの間でロシアに取って代わる天然ガスパイプラインを建設している。また、中国のLNGターミナルがカタールやオーストラリア、さらにはロシアからも天然ガスを輸入しており、もっと多くのLNGターミナルも建設中である。

 現在の中露間の基本合意によると、ロシアは東西2つのパイプライによって年間680億m3の天然ガスを中国へ輸出する。2013年2月、中露エネルギー協力委員会議長会合は、東ルートのパイプラインによって中国へ年間380億m3の天然ガスを供給するとともに、東ルートのLNG事業と西ルートのガス供給をめぐる協力についても引き続き検討と実証を進めることを確認した。

 (中国証券報 1月8日)

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