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中国
【石炭】

国家能源局《2014年エネルギー工作指導意見》老朽化石炭生産能力3,000万トンの淘汰を計画 (14/01/27)
2014/1/29
中国【石炭】

 国家能源局は《2014年エネルギー工作指導意見》を通達し、今年のエネルギー工作の10大重点任務を打ち出した。その中で、「大気汚染防止措置を真摯に実行に移し、エネルギー構造の最適化を促進する」「体制と仕組みの改革を推進し、エネルギー市場の監督管理を強化する」としているが、業界関係者は同意見書が打ち出した生産能力の淘汰と消費削減の目標は決して大きいものではなく、石炭市場に対する影響は限定的と指摘する。

 能源局の意見書は、大気汚染防止を契機にエネルギー産業の老朽化生産能力の淘汰を加速させること、石炭消費の比率の引き下げに力を入れること、天然ガスと非化石エネルギーの比率を高めることを打ち出している。2014年の北京市の原炭消費削減量は300万トン、天津市は200万トン、河北省は800万トン、山東省は400万トンであり、合計すると1,700万トンになる。また、全国の老朽化石炭生産能力の淘汰は3,000万トン、小型火力発電設備の閉鎖は200万kWになる。また、石炭火力発電の脱硫比率をほぼ100%に、火力発電の脱硝比率を70%にする。

 意見書は、年産30万トン以下の炭鉱及び年産90万トン以下の石炭・坑内ガス突出坑井の新規建設の許認可を停止すること、年産9万トン以下の炭鉱を逐次淘汰すること、その中で特に災害リスクの高い炭鉱の閉鎖を急ぐこと、炭鉱企業の合併再編を引き続き推進することを打ち出している。

 上海中期先物のアナリストである蒋海輝氏によると、中国の毎年30億トン余りの生産量と比較すると、石炭の目標削減量は取り立てて大きいものではない。しかし、地域分布を見ると、いずれも北京周辺地区である。たとえこれらの地区の生産量が下がっても、主要石炭生産区(山西、陝西及び内蒙古西部)の生産量は依然増加するので、供給や価格に対する影響は限定的であり、国内の供給過剰構造は依然続く。

 また、蒋海輝氏によると、今回の意見書は中国国内の生産能力過剰の改善を出発点としているわけではなく、大気汚染管理は石炭使用の基準を引き上げることが鍵になる。

 一方、卓創資訊の一般炭アナリストである劉冬娜氏も、削減量は極めて小さいので、価格には基本的に何ら影響せず、影響は市場の雰囲気に止まると指摘しつつ、環境保護と石炭消費量の規制に対する政府の決心が示されており、今回の意見書を皮切りに2014年中にもっと多くの関連政策が出て来るとの見通しを示した。また、劉冬娜氏は、意見書が「大気汚染防止を契機にエネルギー産業の老朽化生産能力の淘汰を加速させ、石炭消費の比率引き下げに力を入れ、天然ガスと非化石エネルギーの比率を高める」としている点について、その影響は長期的なものになると指摘、今後数年の環境保護対策において石炭産業の発展は一貫して抑制され、メカニズムの市場化が迫られ、石炭企業とエネルギー多消費産業の転換が絶えず促されることになるとした。

 (捜狐財経 1月27日)