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内陸の原子力発電事業 第13次5ヵ年規画期の再開がほぼ確定 (14/03/17)
2014/3/17
中国【原子力】

 阿思達克通訊社3月14日電によると、内陸原子力発電事業の再開は今年の全人代と政治協商会議の焦点になり、第13次5ヵ年規画期には再開するとの予想が出てきた。

 政府レベルでは、国家能源局の王禹民副局長が「次期5ヵ年規画では内陸原子力発電を実施することになる」と明確に表明した。

 原子力発電企業集団の消息筋が大智慧通訊社に明らかにしたところでは、国家発展改革委員会は近日中に内陸原子力発電事業建設問題について、総合的な検討と評価を進め、第13次5ヵ年規画における内陸原子力発電事業の正式再開に向けて地ならしをすることになる。
 
 今年の全人代と政治協商会議の会期中、湖南省代表団は唯一の全団建議を提出し、内陸原子力発電事業建設の早期始動を呼び掛けるとともに、設備容量500万kW、総投資額700億元の桃花江原子力発電所を内陸実証原子力発電所に指定することを建議した。湖南省が内陸原子力発電事業の再開を建議するのは2年連続になる。

 企業レベルでは2大原子力発電企業集団がいずれも内陸原子力発電の見通しに十分な自信を持っている。中国核工業集団の孫勤董事長は大智慧通訊社の独占取材に対し、第13次5ヵ年規画期から第14次5ヵ年規画期にかけて、内陸原子力発電開発にはさらに大きな展望が広がるとの予想を示した。

 中広核集団の賀禹董事長もまた、第12次5ヵ年規画期に一時的に凍結された内陸原子力発電は第13次5ヵ年規画期には再開される確率が高くなり、具体的にどの段階で再開するかは、社会の認識と実際の必要性に応じて決定されると表明した。

 内陸原子力発電事業の第一線になる湖南桃花江核電有限公司の鄭硯国総経理は大智慧通訊社に対し、次のように説明した。今年の全人代と政治協商会議は原子力発電にとって有利なシグナルを昨年に比べてより強く発信しており、各クラスの指導幹部の態度も日増しに明朗になっている。湖南桃花江核電有限公司も今年、設備の調達や設計の最適化など具体的な作業をスタートさせ、事業再開に向けて十分な準備を進めておく。

 「2014年に始動し、2015年に準備を終え、2016年に着工する」というのが、鄭硯国総経理の強く訴えている再開スケジュールである。

 日本の福島原発事故後、中国の原子力発電建設は低調期に入った。2012年10月には、国務院常務会議は《原子力発電安全規画(2011〜2020年)》と《原子力発電中長期発展規画(2011 〜2020年)》を議決し、中国の原子力発電の正式再開を示した。しかしながら、中国は原子力発電事業を再開したものの、「第12次5ヵ年規画期は、十分な実証を経た沿海部の少数の原子力発電事業に限り部署し、内陸部の原子力発電事業は部署しない」という基本方針を明確にした。

 2008年、国家発展改革委員会は湖南省桃花江、江西省彭沢及び湖北省大●の3件の内陸原子力発電事業の前期作業展開を一挙に承認した。しかし、福島原発事故以降、展開中であった3件の事業の前期作業はすべて停止を命じられた。2013年末時点で桃花江原子力発電事業は累計46.3億元の固定資産投資を行い、彭沢原子力発電事業と大●原子力発電事業の資金投入額もそれぞれ約34億元に達していた。

 2013年12月31日時点で、中国の商業運転中の原子力発電は17基、総設備容量は1,483万kWに上り、全国発電設備総容量の1.19%を占める。建設中は31基、世界の建設中の原子力発電設備の40%を占める。

 (中国能源網 3月17日)

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