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中国
【石炭】

全人代・政治協商会議、低品質石炭の輸入をめぐって隔たり (14/03/17)
2014/3/27
中国【石炭】

 2013年の中国の石炭輸入量は3.27億トン、純輸入量は3.2億トンになり、うち褐炭の輸入が5,994万トン、石炭総輸入量の18.33%を占めた。低品質の石炭輸入問題をめぐっては全人代代表や全国政治協商会議委員の間で意見の相違がある。

 全人代代表であり中国鉱業大学副学長の姜耀東氏は、石炭輸入の大幅な増加に伴い、褐炭、高硫黄炭、高灰分炭や有害物質を含む石炭など低品質の石炭輸入量が急速に増えているとの見方を示し、政府が差別的な石炭輸入関税政策を策定して、高品質炭の輸入を奨励し、低品質炭の輸入を規制することを建議した。

 また、全人代代表であり陝西煤業化工集団会長の華●氏は、昨年の低品質炭の輸入と生産に対する規制の建議に加え、今年は低品質炭の生産、流通、使用の3つのプロセスにおいても全方位的に低品質炭を淘汰すべきと提言した。華●氏によると、陝西の石炭の90%以上は灰分が比較的低く、一般に10%以下である。また、陝西煤業化工集団が生産する石炭は灰分が約7%である。「北京のボイラーが全て陝西の石炭を使っていれば、今日のような(大気汚染の)状況はあり得なかっただろう」と華●氏は述べ、「電気がなければどうしようもないと誰もが考えるが、そもそも石炭がなければ発電も出来ないではないか。低品質炭の生産と使用を制限し、老朽化生産能力を淘汰するとともに、新たなバランスを実現すれば、環境保護にもメリットがある」とした。

 一方、電力企業出身の全国政治協商会議委員は異なる考えを示した。

 全国政治協商会議委員であり大唐集団の元総経理である朱永■氏は、中国は高品質炭が少なく褐炭が多いこと、硫黄分と灰分の高い石炭を生産する地方もあることを指摘した上で、どの石炭を使用するかを制限すべきではなく、排出基準を引き上げるべきであると述べた。また、中国はASEAN自由貿易地域に参加しているので、貿易障壁を設け、関税によって低品質炭の輸入を制限することは現実的ではないと述べた。

 全国政治協商会議委員であり中国電力投資集団の陸啓洲総経理も「低品質の輸入炭を使用して発電を行うことは最も経済的であり環境保護にも優れる」との見方を示した上で、発熱量の低い石炭の輸入を制限することは国産の褐炭を使用することを意味すると指摘し、東南沿海部は石炭生産地から非常に遠く、輸送がもたらす大気汚染も深刻であるが、インドネシアやオーストラリアの褐炭は中国国内の褐炭よりも品質に優れ、価格も低いとした。

 (中国煤炭網 3月17日)

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 ■…草かんむりに「凡」