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中国
【石炭】

危機に陥った内蒙古自治区の石炭企業 (14/04/03)
2014/4/10
中国【石炭】

 英ロイター4月2日付報道によると、中国の主要産炭地である内蒙古が危機に陥っている。経済成長の減速に起因する石炭需要の軟化や廉価な海外炭の大量輸入によって中国の石炭価格が下落を続け、そのため多くの中小炭鉱が倒産に追い込まれている。また、一部の大手炭鉱も巨額の赤字を防ぐため給与を50%カットしている。専門家によると、内蒙古やその他各地の炭鉱は、生産能力過剰、需要の不振や銀行の金融縮小など様々な問題に追われている。中煤能源の翁慶安首席財務官によると、中国各地の石炭企業の今後の見通しは暗く、「石炭価格の下落が続くと、殆どの企業は生存が難しくなり、産業全体で統廃合が進む」。

 石炭産業の不景気の矢面に立っているのが内蒙古の石炭企業である。なぜなら、内蒙古の炭鉱は沿海の石炭消費地から遠く離れているだけでなく、その多くは鉄道や港湾からも遠く、輸送費の高いトラック輸送に依存する他ないからである。

 2012年には中国の石炭生産の5分の1を占めたオルドスでは地元の民営炭鉱20社余りのうち半分が操業を停止している。価格の下落が続けば、オルドスの炭鉱300社の10%が操業停止に追い込まれると、経験豊かな取引業者は指摘する。

 翁慶安首席財務官によると、昨年石炭価格が16%下落して以来、中国の大中型炭鉱の3分の1が赤字に陥った。今年に入ってから、秦皇島港の石炭現物価格は15%下落してトン当たり525元に落ち、2008年の価格を下回った。石炭アナリストの試算によると、内蒙古の炭鉱は石炭1トンの生産につき20〜30元の赤字になる。

 また、中国各地の石炭企業はいずれもシャドーバンクに対する依存が深刻であり、つい最近まで拡張のためシャドーバンクからの資金調達に狂奔していた。銀行はシャドーバンクの金融商品の代理店の役目を果たしており、苦境にある炭鉱など企業債務にデフォルトが発生すると、銀行など大手金融機関も深刻な赤字リスクに直面することになる。

 内蒙古の炭鉱主は、以前は高級車や豪邸を投げ売りして資金を調達していたが、ここ1年の石炭価格の下落や炭鉱主の債務不履行のため、融資を行うシャドーバンクの一部は炭鉱を抵当に取っている。

 (人民網 4月3日)