4月2日、北京で開かれた「2014年電力計画発展フォーラム」において、中国電力企業聯合会は《第13次5ヵ年規画期の天然ガス発電需要予測》を発表し、2020年に中国の天然ガス発電規模は1億kWに達し、総発電設備容量の4.71%を占めると指摘した。なお、2013年末の中国の発電設備容量は12.5億kWである。 先進諸国では複合循環ガス発電技術が成熟を極めている。2010年の全世界の発電設備2台のうち1台は複合循環ガス発電設備であった。スモッグが頻発し電力需要の旺盛な北京・天津・河北地区にとって、天然ガス発電は経済と社会のクリーン化を推進する最良の方途になる。しかし、今のところまだ中国の天然ガス発電には次のような問題が存在している。 第1にガスの価格とコストが高い。中国がカタールから輸入するLNGのCIF価格は18ドル/mmbtuに上昇している。安価なガス源を探して天然ガス発電を普及させることが急務である。 第2に技術上のボトルネックが付きまとう。2013年版の《ガス発電安全監督管理報告》によると、2012年の中国のガス発電設備の等価稼動係数は91.8%であり、石炭火力発電設備よりも1.17ポイント低い。非計画的で大規模な稼動停止がコスト高の原因の一つになっている。 第3にテイクオアペイが未だ川下で普及していない。テイクオアペイは天然ガス開発業者が開発リスクを移転するモデルの一つになる。川下がいかなる利用メカニズムによってリスクを回避するかは中国の天然ガス発電にとって軽視できない問題である。 第4にガス量が充分でない。天然ガス資源の大規模開発には一定のサイクルが存在し、一方、中国の天然ガス消費量は年々増加している。天然ガス供給の逼迫が市場に及ぼす圧力を緩和することは短期的に難しい。 以上のような制約要因は存在するが、その解消過程も発展の契機をもたらすだろう。 現在、エネルギー分野の全面改革が始まりつつある。資源価格改革、環境保護税、炭素排出権取引市場など一連の措置によって、天然ガス発電は石炭火力発電よりも大きい競争力を備え、市場の普及が進む可能性もある。 ガス価格とガス量という2つの問題は互いに関連しており、ガス供給量を確保することが出来れば、国際ガス価格上昇のエンジンも弱まる。 中国の主な天然ガス供給企業は中国石油天然ガス (PetroChina)、中国石油化工(SINOPEC)、中国海洋石油(CNOOC)、広匯能源や九豊能源等のエネルギー企業である。中国が最初のLNGターミナルを建設したのは2006年であり、天然ガス輸入の歴史は浅い。そのため、輸入企業の参加のメカニズムは余り敏活ではなく、海外で安価なガス源を獲得する能力は限られている。 そのため、もっと多くのエネルギー企業がLNG国際業務に参入するよう奨励することが中国天然ガス市場の発展動向になる。エネルギー改革の深化に伴い、今後は性格の異なる様々な企業が天然ガスパイプラインの建設やLNGターミナル事業に参加するようになるだろう。 また、国内のLNG先物市場やスポット市場の建設を急ぐべきである。上海先物取引所に上海国際エネルギー取引センターが設けられたが、今後はLNG先物市場や北京・天津・河北地区のLNGスポットセンターも徐々に設けられるに違いない。そうなれば、発電企業は機敏な取引手段によって、価格変動のリスクを緩和することが可能になる。 複合循環発電の中核的製造技術をしっかりと把握することは発電コストを引き下げる重要な手段になる。また、分散型ガス電力供給モデルの形成を急ぎ、ガス余熱の総合利用によって複合循環発電とIDCC石炭ガス化事業を進めれば、需要ピーク時のガス供給圧力の緩和にも役立つ。 非在来型天然ガスの商業開発は天然ガス発電を普及させる上で根本的な方法になる。炭層ガスとシェールガスの商業開発や無水破砕技術は今後非在来型天然ガス開発を実現する重要な突破口になる。中国の当面のエネルギー需給ギャップと環境保護ギャップを最終的に解決する道を開くには、真の意味での天然ガス自給を実現するしかない。 (中国石油報 4月8日)
4月2日、北京で開かれた「2014年電力計画発展フォーラム」において、中国電力企業聯合会は《第13次5ヵ年規画期の天然ガス発電需要予測》を発表し、2020年に中国の天然ガス発電規模は1億kWに達し、総発電設備容量の4.71%を占めると指摘した。なお、2013年末の中国の発電設備容量は12.5億kWである。
先進諸国では複合循環ガス発電技術が成熟を極めている。2010年の全世界の発電設備2台のうち1台は複合循環ガス発電設備であった。スモッグが頻発し電力需要の旺盛な北京・天津・河北地区にとって、天然ガス発電は経済と社会のクリーン化を推進する最良の方途になる。しかし、今のところまだ中国の天然ガス発電には次のような問題が存在している。
第1にガスの価格とコストが高い。中国がカタールから輸入するLNGのCIF価格は18ドル/mmbtuに上昇している。安価なガス源を探して天然ガス発電を普及させることが急務である。
第2に技術上のボトルネックが付きまとう。2013年版の《ガス発電安全監督管理報告》によると、2012年の中国のガス発電設備の等価稼動係数は91.8%であり、石炭火力発電設備よりも1.17ポイント低い。非計画的で大規模な稼動停止がコスト高の原因の一つになっている。
第3にテイクオアペイが未だ川下で普及していない。テイクオアペイは天然ガス開発業者が開発リスクを移転するモデルの一つになる。川下がいかなる利用メカニズムによってリスクを回避するかは中国の天然ガス発電にとって軽視できない問題である。
第4にガス量が充分でない。天然ガス資源の大規模開発には一定のサイクルが存在し、一方、中国の天然ガス消費量は年々増加している。天然ガス供給の逼迫が市場に及ぼす圧力を緩和することは短期的に難しい。
以上のような制約要因は存在するが、その解消過程も発展の契機をもたらすだろう。
現在、エネルギー分野の全面改革が始まりつつある。資源価格改革、環境保護税、炭素排出権取引市場など一連の措置によって、天然ガス発電は石炭火力発電よりも大きい競争力を備え、市場の普及が進む可能性もある。
ガス価格とガス量という2つの問題は互いに関連しており、ガス供給量を確保することが出来れば、国際ガス価格上昇のエンジンも弱まる。
中国の主な天然ガス供給企業は中国石油天然ガス (PetroChina)、中国石油化工(SINOPEC)、中国海洋石油(CNOOC)、広匯能源や九豊能源等のエネルギー企業である。中国が最初のLNGターミナルを建設したのは2006年であり、天然ガス輸入の歴史は浅い。そのため、輸入企業の参加のメカニズムは余り敏活ではなく、海外で安価なガス源を獲得する能力は限られている。
そのため、もっと多くのエネルギー企業がLNG国際業務に参入するよう奨励することが中国天然ガス市場の発展動向になる。エネルギー改革の深化に伴い、今後は性格の異なる様々な企業が天然ガスパイプラインの建設やLNGターミナル事業に参加するようになるだろう。
また、国内のLNG先物市場やスポット市場の建設を急ぐべきである。上海先物取引所に上海国際エネルギー取引センターが設けられたが、今後はLNG先物市場や北京・天津・河北地区のLNGスポットセンターも徐々に設けられるに違いない。そうなれば、発電企業は機敏な取引手段によって、価格変動のリスクを緩和することが可能になる。
複合循環発電の中核的製造技術をしっかりと把握することは発電コストを引き下げる重要な手段になる。また、分散型ガス電力供給モデルの形成を急ぎ、ガス余熱の総合利用によって複合循環発電とIDCC石炭ガス化事業を進めれば、需要ピーク時のガス供給圧力の緩和にも役立つ。
非在来型天然ガスの商業開発は天然ガス発電を普及させる上で根本的な方法になる。炭層ガスとシェールガスの商業開発や無水破砕技術は今後非在来型天然ガス開発を実現する重要な突破口になる。中国の当面のエネルギー需給ギャップと環境保護ギャップを最終的に解決する道を開くには、真の意味での天然ガス自給を実現するしかない。
(中国石油報 4月8日)