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中国
【石炭】

貴州省に中国最大規模の石炭液化事業計画 年産600万トン・投資額1,000億元 (14/04/10)
2014/4/17
中国【石炭】

 貴州省畢節市で年産600万トンの石炭間接液化事業融資プロモーション会が催された。この石炭液化事業は所要投資額1,000億元に上る見通しであり、国の承認を得て建設されると、中国最大の石炭液化事業になる。貴州省内の30社近くの金融機関が事業への協力の意向を表明した。

 しかしながら、クリーン・コールの専門家は、各地で石炭液化事業の開発を過熱させてはならないと警告する。中国の石炭鉱区の大部分は水資源に乏しく、生態環境も脆弱である。石炭液化や石炭ガス化は資源・環境面の条件が厳しく、産業規模を厳重に規制しなければならない。

 畢節市の石炭間接液化事業融資プロモーション会は貴州省発展改革委員会が開催し、省内の銀行20社近くとノンバンク約10社が参加した。

 同事業は、石油製品と化学品年産600万トン、総投資額1,000億元になり、2期に分けて建設を進める。第1期年産200万トンの石炭液化事業の立地先は大方県、総投資額340億元になる。第2期年産400万トンの石炭液化事業の立地先は納雍県で、投資額は600億元になる。

 貴州省西部大開発弁公室の高鴻副主任によると、貴州省は石炭想定資源量が中国第5位であり、石炭化学工業を発展させる上で独自の資源的優越性を備えている。

 本事業の実施によって総投資額の6〜8倍の関連産業投資にも効果が波及する。年産600万トン規模の場合、年間4,000万トンの石炭の転化を行い、売上は600億元、税引き後利益は147億元、税収は160億元になり、1万人近くの直接雇用と5万人近くの間接雇用を創出する。

 現在、事業主体になる貴州渝富能源開発株式有限公司はすでに、立地先の測量、用地の収用と住民の移転、FS、環境評価、水資源の検証、水・土壌保護計画の起草や石炭の種類別燃焼試験等の作業を展開している。

 貴州渝富能源開発は2012年5月、畢節市人民政府と石炭間接液化事業協力で合意文書に調印し、6月には貴州省発展改革委員会が同事業の準備作業の展開を承認した。

 昨年9月、神華寧夏煤業集団による年産400万トンの石炭間接液化実証事業が国家発展改革委員会から承認され、正式に着工された。事業総投資額は550億元になる見通しである。また、内蒙古など各地の石炭液化事業も年産400万トン規模を超えるものはない。畢節市の年産600万トンの石炭液化事業が国から承認されれば、中国最大の石炭液化事業になる見込みである。

 (経済信息時報 4月10日)