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中国
【石油・天然ガス】

10年余りの交渉を経て中国とロシアが天然ガスで合意へ (14/04/14)
2014/4/17
中国【石油・天然ガス】

 台湾「聯合報」の4月10日付報道によると、10年を閲したロシアと中国の天然ガス交渉は、ウクライナ危機の拡大を受けて近日中に合意が成立する見通しである。ロシア側はプーチン大統領の5月の訪中に合わせて契約に調印し、今年末までに発効させる意向である。

 この契約が成立すると、ロシアは西側諸国の制裁から逃れて、天然ガスの販売先を東方に転換することが可能になる。一方、中国もこのチャンスに乗じて価格の引き下げを求めることになる。

 ロシアのイタルタス通信は「Gazpromの供給契約をめぐって中国とロシアはすでに合意に近づいている。合意がなっていないのは価格だけだ」とのドゥボルコビッチ副首相の発言を引き、双方は9日に契約の細目について協議するとした。また、ドゥボルコビッチ副首相は5月に調印することに期待を示した。新たに敷設する天然ガスパイプラインは1年間に380億m3の天然ガスを中国に供給することになる。Gazpromも中国とロシアが価格交渉で進展を遂げたと表明した。

 業界関係者によると、ロシア側は価格を引き下げてでも契約にこぎつけたい意向であるが、中国側が数十億ドルの代金を前払いすることが交換条件になる。また、ロシア側が希望する天然ガス価格は10〜11ドルであるが、中国側はトルクメニスタンの天然ガス価格と同等の9ドルを希望している。

 ロイターの報道によると、今回の契約がまとまれば、プーチン大統領の大勝利になり、ロシアの天然ガスは欧州市場に対する依存度を大幅に引き下げられる。ロシアが現在ウクライナ経由の天然ガスパイプラインで欧州に販売する天然ガスは欧州の総需要量の3分の1を占める。

 Gazpromは今月、ウクライナ向け天然ガス販売価格を8割引き上げたが、ウクライナは支払いを拒否し、双方の争いが続いている。ロシアのメディアによると、ウクライナのロシアに対する天然ガス未払い金は22億ドルに上っており、プーチンはウクライナに対する天然ガス供給量を制限することを検討する公算である。

 西側諸国は、ロシアがウクライナ東部に侵入すればロシアに対する追加制裁を実施すると表明している。そのため、クレムリンにとっては他のパイプラインによって欧州以外の天然ガスの買い手を見つけることが重要な任務になる。

 報道によると、中国政府は未だ反応を示していないが、ロシアとの交渉において「切り札を増やしたことは明白だ」。

 ロシアは天然ガス以外に石油についても、アジアへの輸出を増やすことを計画している。ロシアの3月の石油生産量は1,056万BD、輸出量は約440万BDであった。ロシアは西方向けの輸出量を徐々に減らし、東方への輸出を増やそうとしている。現在、ロシアの石油の16%がアジアに輸出されている。

 ロシアエネルギー相ノバクは4月9日、ロシア政府が2020年までに「東シベリア−太平洋」(ESPO)石油パイプラインの輸送能力を160万BDに拡大して、欧州市場への依存を減らすとの計画を明らかにした。また、ロシアは2035年までにアジア向けの石油輸出を倍増させる意向である。

 (中国新聞網 4月14日)