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【石油・天然ガス】

中露天然ガス交渉が8年がかりでようやく合意へ (14/05/14)
2014/5/22
中国【石油・天然ガス】

 ロシアエネルギー相Anatoly Yanovskyは5月19日、ロシアの天然ガス企業Gazpromと中国の天然ガス供給企業との長きにわたった交渉はようやく妥結に近づきつつあると表明した。

 Yanovskyエネルギー相は、「契約案の98%はすでに準備が整った」と述べ、プーチン大統領の中国訪問に合わせて最終的に合意したいとの希望を表明した。

 Gazpromは過去10数年にわたって中国と交渉を展開してきた。2014年4月には、Gazpromは同月中に合意したいとしていた。

 これまでの合意に従って、Gazpromは中露天然ガスパイプライン(東ルート)により中国石油天然ガス集団(CNPC)へ年間380億m3の天然ガスを供給することを承諾したが、Gazpromの価格は中国の民生用天然ガス価格をはるかに上回っている。そのため、CNPCとGazpromの天然ガスに関する交渉は遅々として進まず、未だに実施には到っていない。合意が実施に移されない主な原因は価格にある。中国のガス価格は長期にわたって低価格が維持されてきたが、輸入依存度の上昇に伴い、関連企業はすでに低価格の維持が難しい状況になっている。CNPCが今年初頭に発表したレポートによると、昨年の中国の天然ガス輸入は前年比25%もの大幅な増加になり、対外依存度は30%を突破して31.6%に達した。今後10〜20年は、対外依存度がさらに上昇すると予想される。クリミア危機以降、欧米はロシアのエネルギー企業に対する追加制裁を開始し、米国のオバマ大統領は欧州へのシェールガス輸出を許可する法案に署名すると宣言した。そのため、プーチン大統領は極東とアジアの天然ガス市場開拓に取り組まざるを得ない。

 (中国産業研究網 5月14日)