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中国
【石油・天然ガス】

巨額の中露天然ガス契約調印直後に日露天然ガスパイプライン計画が「襲来」(14/0602)
2014/6/12
中国【石油・天然ガス】

 中国とロシアは先般4,000億ドルの天然ガス供給で合意したが、ロシアは次の市場ターゲットを日本に定めた。福島原発事故以降、日本にとってエネルギーコストの引き下げが急務になっている。

 33名の日本の政策策定者のグループ(議連)は、ロシアとの間で、6,000億円(59億ドル)のパイプラインを敷設してロシアから日本へ年間200億m3の天然ガスを供給することで合意を目指している。これはLNGに換算すると1,500万トンになり、日本の輸入量の17%に相当する。前出のグループの事務局長であり、自民党衆院議員の竹本直一は5月23日にブルームバーグの取材を受けた際に、この情報を明らかにした。これは、ロシアのサハリンから東京の東北方向にある茨城県まで1,350キロのパイプラインを建設する計画である。竹本直一は早ければ6月中に安倍晋三首相に提案し、ロシア大統領プーチンの秋の日本訪問に合わせて議事日程を調整したいと表明した。

 また、この合意は、アジアにおいてエネルギーのサプライヤーとしてもっと重要な役割を発揮したいというロシアの希望を体現するものでもある。ウクライナ事件以降、欧州はロシアに対するエネルギー依存を引き下げる意向であり、そのため、ロシアは日本との交渉において一定のカードを失っている。日露天然ガス交渉は、中露天然ガス交渉と同様に10年余りに上る長丁場になっている。

 竹本直一はブルームバーグに対し、2011年の福島原発事故以降、日本の原子炉が停止され、ロシアからのガスパイプライン計画が改めて浮上したと指摘した。日本の財務省の統計によると、日本は昨年、LNGの輸入に過去最高の7兆円を費やした。これは3年前のコストの倍以上になる。竹本直一は、LNGはタンカーによって輸送するしかなく、コストが高くつくが、天然ガスパイプラインを建設することで輸送コストを引き下げることが出来ると述べた。

 日本は世界最大のLNG輸入国であり、2013年には8,749万トンのLNGを購入した。一方、ロシアは日本にとって、オーストラリア、カタール、マレーシアに次ぐ4番目のエネルギー輸入先であり、ロシアから供給される天然ガスは日本の消費量の9.8%を占める。

 
 (金融界 6月2日)