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【石油・天然ガス】

中露天然ガス契約が日本のエネルギーセキュリティに寄与も (14/06/10)
2014/6/16
中国【石油・天然ガス】

 中国とロシアが調印した4,000億ドルの天然ガス供給契約は、中国の政治・経済ライバルである日本がエネルギーセキュリティの苦境から脱することを助ける結果になるだろう。中露間の天然ガス取引は史上最大規模であり、新たな天然ガス供給源が開拓されてアジアの天然ガス価格が抑えられる公算である。その結果、現在世界最大の天然ガス輸入国である日本が最も大きい利益を得るだろう。ロイター社の先日の評論文はこのように分析した。

 中国とロシアが4,000億ドルの天然ガス供給契約に調印した際、はプーチンが最も支援を必要としていた時に中国が彼を抱き込んだというのが世論の一致した見方であったが、しかしながら、今考えてみると、利益を得たのはロシアとプーチンだけではなく、日本もそうだということは予想外であった。
 
 中国とロシアは未だ契約価格を公にしていないが、業界の消息筋によると、契約価格は10 〜10.5ドル/MMBTUであり、これは現在のアジアスポットカーゴ価格の約13ドルをはるかに下回る。加えて、ロシアの大規模な天然ガス供給はアジアの天然ガス需要に対する中国からの圧力を吸収して、天然ガス価格を抑えることにつながる。

 ロイターは某研究員の分析を引用して、「このことが天然ガス価格に引き下げ圧力をもたらすに違いない。アジアプレミアム時代の終わりの始まりになるという人もいる」。

 日本は目下世界最大のLNG輸入国であり、中露天然ガス契約によって最も大きい利益を享受することになる。日本は2013年にLNG購入のため過去最高の7兆600億円を費やした。輸入額では世界トップであり、世界の輸出量の約3分の1を購入したことになる。

 日本が2013年にロシアから輸入したLNGは前年比3.1%増加して857万トンになり、輸入量全体の9.8%を占めた。日本石油鉱業連盟の早崎隆志氏は、中露天然ガス契約がシベリアのガス田のさらなる開発を促し、それが日本向けLNGの供給源となる可能性もあると指摘した。

 韓国や台湾などアジアの他の天然ガス輸入国も恩恵を受ける可能性がある。

 (捜狐財経 6月10日)