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【エネルギー全般・政治経済】

周小川人民銀行総裁「高油価は短期的に人民元上昇要因の1つ」 (08/01/08)
2008/1/8
中国【エネルギー全般・政治経済】

 周小川中国人民銀行(中央銀行)総裁は昨日、世界的な石油価格の高騰、中国国内のインフレと巨大な貿易黒字が短期的に人民元の上昇を促す部分的な要因になると表明した。

 周総裁は、中国の貿易黒字の伸びはやや鈍化したものの、黒字の絶対的水準は依然極めて高いとした。また、人民銀行は油価の動向に注目しているとした。

 周総裁によると、国内外の為替市場の需給状況も短期的に人民元上昇要因となり、一部の国内金融機関が大規模な外貨売りに出ているため、人民元の上昇が促されている。

 人民元の上昇は昨年末から加速し、今年に入ってから、7.30、7.29、7.28、7.27と次々に大台に乗っている。今年も人民元の上昇は引き続き加速すると市場は見ている。

 一方、米ドルの軟調が続き、石油価格は、一旦は1バレル100ドルの大台に乗った。また、中国国内のインフレ圧力は未だ緩和しておらず、昨年11月のCPI(消費者物価指数)は前年同期比6.9%の上昇となった。国際原材料価格の上昇は国内の物価指数を押し上げて、輸入型インフレ圧力を拡大するが、人民元の上昇はエネルギーの輸入コストの引き下げとインフレ圧力の緩和に有効であるとの見方もある。

 人民銀行の昨年第3四半期の政策報告から明らかなように、人民元の上昇は国内のインフレ抑制にとって有効であり、資源的製品の輸入に対する依存度が拡大する中、人民元の適度の上昇は人民元で計算する輸入コストの上昇を抑える上で有利である。

 多くの研究機関は短期的な人民元の上昇をすでに織り込み済みである。JPモルガン・チェースは報告書の中で、大幅な人民元切り上げになる可能性は低いが、米ドルに対して10%程度の切り上げになる見通しであるとしており、スタンダードチャータード銀行は切り上げ幅を9%と予想している。

 (第一財経日報 1月8日)