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【エネルギー全般・政治経済】

上半期の中国エネルギー経済動向 (14/07/21)
2014/7/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

 7月16日に国家統計局が発表した上半期経済統計によると、第2四半期のGDP成長率は7.5%、上半期の成長率は7.4%であった。経済成長の鈍化とともに、電力、石炭、石油を主とするエネルギー需要も軟調になり、そのことは電力使用量の低い伸び率、石炭需要の軟化、工業景気指数を反映した軽油消費のマイナス成長などに表れている。

 国家能源局の統計によると、今年上半期の電力使用量は2兆6,276億kWh、前年同期比5.3%増で、伸び率は2012年及び2013年同期並み。2012年以降、電力使用量、エネルギー消費総量、GDPの成長率はいずれもかつての高い水準から下落している。歴年の統計を見ると、2010年の電力使用量の伸び率は14.8%、2011年は12%であったが、2012年から伸び率は1ケタ台に落ち、2012年は5.3%、2013年7.5%になった。今年上半期の伸び率5.3%は2010年上半期の21.57%、2011年上半期の12.2%に比べると大きく見劣りする。

 国のミクロ政策の刺激を受けて、今年第2四半期の3ヵ月間で電力使用量の伸び率は徐々に上昇し、4月は4.6%、5月は5.3%、6月は5.9%になり、特に6月の電力使用量は4,639億kWh、1日当たりで150億kWhを超えた。

 産業別の電力使用量を見ると、第一次産業が435億kWh、前年同期比4.6%減、第二次産業が1兆9,325億kWh、前年同期比5.1%増、第三次産業が3,138億kWh、6.9%増になり、都市農村民生用は3,378億kWh、6.6%増であった。第二次産業は国内の電力使用の主体で、全体の73%を占めた。第二次産業の中でもエネルギー多消費業種を主とする重工業の電力使用は80%以上を占めているが、その伸び率は徐々に低下傾向を示している。中国エネルギー研究会政策研究センターの専門家によると、エネルギー多消費業種の生産能力の撤去、国の政策的調節や大気汚染管理などで、エネルギー多消費産業の2ケタ以上であった電力使用の伸びは抑えられている。

 発展改革委員会の統計によると、1〜5月のセメント、非鉄金属、化学工業等の生産量は前年同期に比べ増加したものの、伸び率は減退した。特に電解アルミ、銅、鉛等の非鉄金属の伸び率は6ポイント下がり、粗鋼生産力の伸び率は5.3ポイント、セメント生産量の伸び率は4.8ポイント下がった。

 中国電力企業聯合会の予想によると、2014年の電力使用量は前年比6.5〜7.5%の増加になり、7%増になる可能性が高い。

 2012年以降、中国の石炭産業は低いレベルで低迷しており、そのことは在庫の高止まり、石炭価格の下落、利潤の縮小、多数の石炭企業の赤字などに表れている。今年上半期も石炭市場は低迷が続き、石炭価格も底なし状態であり、未だに底をついていない。

 今年1〜5月の石炭生産は低下し、鉄道による石炭輸送量は9.6億トン、前年同期比0.5%増に止まった。石炭純輸入は1.32億トン、前年同期比0.3%減になった。5月末の石炭企業の在庫は9,500万トン、重点発電所の石炭在庫は7,507万トン、23日分である。

 山西・陝西・内蒙古・寧夏等の重点石炭生産地区では石炭の生産量と利潤がともに低下した。1〜5月の山西省の原炭生産量は3億8,671万トン、前年同期比576万トン、1.4%の増加であった。利潤総額は17.07億元、前年同期比89.47%の減益になった。1〜5月の陝西省の原炭生産量は1億6,843万トン、前年同期比897万トン、5.1%減少し、利潤総額は144億元、前年同期比21.81%下がった。

 叡能諮詢の統計によると、中国の現在の生産中及び建設中の石炭年産能力は60億トン近くに上る。今年1〜4月の石炭産業固定資産投資はやや下がったが、投資額は860億元に達している。巨額の投資は新規生産能力が引き続き増加することを意味しており、今後も供給過剰圧力がさらに拡大することになる。

 生産能力過剰、大気汚染管理、輸入炭の衝撃や、新エネルギーによるシェア奪取など様々な要素が重なって、石炭産業の景気は当分低いレベルで推移するというのが業界内部の共通の認識である。

 石炭だけでなく、基礎建設や工業経済と直接関連する石油消費も低いレベルにある。発展改革委員会の統計によると、1〜5月の石油製品見掛け消費量は1億821万トン、前年同期比2.6%増、うちガソリン消費は8.9%増になったが、軽油消費は2.2%減少した。

 一方、発電企業は大幅な増益になった。主に石炭価格の下落や発電時間数の安定といった要因により、火力発電企業は大儲けした。5大発電集団の傘下企業の利益は過去最高を記録した。華電国際は、上半期は55〜65%の増益になるとの見通しを示し、国投電力は70%以上の増益になると見込まれる。

 (中国政府網 7月21日)