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【石炭】

中国が闇雲な石炭液化・ガス化事業の発展を厳重に規制へ (14/07/28)
2014/7/28
中国【石炭】

 国家能源局は7月22日、《石炭液化と石炭ガス化産業の規範化と科学的で秩序ある発展に関する通達》を出し、年産20億m3未満の石炭ガス化事業と100万トン未満の石炭液化事業の建設を禁止した。

 今回の通達には深刻な背景がある。石炭は中国の主要エネルギーであり、石炭液化と石炭ガス化の適正な発展は国のエネルギーセキュリティの確保、石油ガス代替資源の増加、クリーン・コールの利用などの面で重要な意義を備えている。近年、産業化実証事業や技術の進歩が顕著な効果を上げ、一部地域は新規事業建設に対して極めて前向きである。しかし、その一方で、環境や水資源の現状、技術力や経済力を顧みない闇雲な開発が発生している。

 今回の通達によると、国家発展改革委員会と能源局は目下《石炭液化実証事業建設の秩序ある推進に関する指導意見》と《石炭ガス化の産業化実証の平穏な推進に関する指導意見》を策定して、近日中に公布、施行することになる。産業政策については、「発展を停止させることは出来ないが、過熱発展をさせるべきでなく、規律に違反する無秩序な建設を禁止する」という方針と、「状況を見ながら進め、クリーンで効率的な転換、実証事業の先行、科学的、合理的な部署、自主イノベーションを堅持する」との原則が明確にされている。

 国務院の公布した《政府が許可する投資事業リスト(2013年版)》の要請に従い、年産20億m3以上の石炭ガス化事業と年産100万トン以上の石炭液化事業は、国務院の投資所管部門に申請して承認を得ることが求められる。一方、年産20億m3未満の石炭ガス化事業と100万トン未満の石炭液化事業の建設は禁止される。

 通達は、石炭液化及びガス化の生生産要素資源配置をより一層最適化すること、石炭供給においては群衆の生活用及び発電用の需要を優先的に賄うこと、石炭の純移入省が石炭液化とガス化の開発を行うことは厳禁することを打ち出している。また、生活用水、農業用水、生態系用水を圧迫したり、地下水を利用したりする形での石炭液化とガス化の開発は厳禁する。取水量が規制指標を超えている地区や、主要汚染物排出総量が基準を超過ししている地区については、新規の石炭液化とガス化実証事業の許認可を一時保留する。資源配置、建設用地、環境評価や融資等の面でも厳重な規制を行う。

 石炭液化・ガス化事業はまだ工業化実証段階に止まっているため、今回の通達は、総合的な計画、厳格な参入及び生態環境と水資源条件の許容を前提に、実証事業の建設を整然と進め、産業規模を適正に拡大するとしている。

 通達は、各地方の発展改革部局とエネルギー産業管理部局に対し、他の関係部局とも協議して、法規に基づいて用地、環境保護、融資、産業政策や事業許認可を適切に行い、石炭液化・ガス化事業の闇雲な発展を断固抑制することを求めている。国の政策や石炭液化・ガス化関連政策の規定に違反した場合や、規則に違反して新規建設事業を立ち上げるなどの行為に対しては責任を追及することになる。

 (中国煤炭報 7月28日)