最近、某中央企業が石炭ガス化(SNG)も含む石炭化学工業部門を分離したことを契機に、業界では石炭の液化とガス化をめぐって討論が巻き起こり、石炭液化とガス化の先行きも不透明になった。業界の討論では石炭の液化とガス化を発展させるべきかどうか、そしてどのようにして発展させるべきかという2つの問題が焦点になっている。

　石炭の液化とガス化を発展させることが必要かどうかについては、関係者は発展させるべきであると考えている。その理由として、まず、中国のエネルギーセキュリティの視点から見ると、2013年の中国の石油対外依存度は58.1％に達し、天然ガス対外依存度は31.6％に達したことが挙げられる。相対的に豊かな石炭資源を十分に活用して石炭の液化とガス化事業を建設することは石油・天然ガス供給の重要な補完物になり、国のエネルギーセキュリティを可能にする。つまり、緊急事態により石油とガスの供給が逼迫する状況が発生したとしても、石炭液化とガス化が石油ガス供給を増やす重要なオプションになる。

　第2に、石炭業界にとって、石炭の燃料から原料への転換を推進し、石炭の深加工を実現し、延いては石炭の付加価値を高めることは、近年、特にここ2年、石炭市価が低迷する中で重要な方向性になる。また、石炭の液化とガス化も含む現代的石炭化学工業を発展させることは石炭業界の主要な選択肢であり、正しい方向性でもある。石炭は燃料として以外に多様な利用が可能であり、各種製品の原材料にして付加価値を高めることも出来る。

　第3に、石炭の液化とガス化も含む現代的石炭化学工業は石炭の効率的でクリーンな転換においても重要な方向性になる。近年、中国でスモッグが多発しているが、これは石炭の直接燃焼によって大量に発生する汚染物と切り離すことは出来ない。一方、現代的石炭化学工業はクリーン・コール技術を基礎とし、石炭に含まれる硫黄や重金属等を回収し、二酸化炭素を集中的に処理して、石炭の効率的でクリーンな転換と利用を実現する。

　（中国石油化工網 9月3日）