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中国
【石炭】

神華集団がロシアの100億ドル炭鉱開発事業に参加へ (14/09/05)
2014/9/15
中国【石炭】

 9月4日、ロシアの国営テクノロジー企業Rostecと神華集団はMOUに調印した。両社はシベリア及び極東地区のOgodzhinsky炭鉱区の共同開発を進めるとともに、ロシア沿海地方に石炭輸送用の港湾を建設する計画である。

 Rostecによると、今回の計画内容には炭鉱共同開発、工業及び交通インフラ開発、発電所の建設や中国への電力輸出を可能にする高圧送電線の敷設が含まれており、総投資額は80〜100億ドルに上る見通し。今年末に着工され、2018年に稼動させる予定である。

 Rostecは、この事業はロシアのアムール州と中国北方地区のエネルギー不足問題を解決し特に電力需要を賄う上で効果があると見ている。

 RostecのSergey Chemezov社長は9月4日のプレス発表において、Rostecと神華集団は出資比率50対50の合弁会社を設けること、予想投資利益率は約22%になることを明らかにした。

 同事業はアジア太平洋地区に産品を輸出し、主に中国へカロリーの高い高品質石炭を輸出する。一方、低カロリーの石炭は炭鉱に建設する発電所で利用する。そのため、まず炭鉱区にインフラを建設した上で、次に発電施設と高圧送電線を建設して、中国へ電力を輸出する。また、年間取扱量2,000万トンの石炭中継埠頭を建設することも計画に盛り込まれている。事業計画はすでに関係政府機関の承認も得ており、総投資額約10億ドル、2018〜2019年に稼動させる計画である。

 共同開発を行う炭鉱区はアムール州に所在し、石炭予想埋蔵量は16億トン、事業が完成すると2019年には高カロリー石炭年産量は3,000万トンになる。

 近年、需要の軟調や生産能力過剰などのため、国際石炭市場は低迷し、石炭価格は過去5年間で最低を記録したが、最近は市況改善の兆しが現れており、中国の工業が下半期に回復を開始すれば、石炭需要の反発ももたらされる公算である。Sergey Chemezov社長は、低品質の石炭価格は確かに下がっているが、高品質の石炭価格は安定を維持していると表明した。

 なお、ロシア連邦エネルギー相Alexander Novakは先般、ロシア国内の石炭使用規模を9,000万トンから1.2億トンに拡大するとともに、アジア太平洋地区への輸出の比率を6%から15%に拡大すると発表していた。

 (中国石油化工網 9月5日)