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中国
【石油・天然ガス】

エチレン新規生産能力は石炭化学が主役に (14/09/04)
2014/9/10
中国【石油・天然ガス】

 「今後3〜5年、中国の化学工業の伸び率は7%から5%前後に下がる。国内のエチレン生産能力建設は減速し、将来の新規生産能力は主に新型石炭化学工業分野になる」。8月27日、第18回エチレン年次大会は調査研究レポートを発表し、中国と世界の化学工業の動向について分析、展望した。中国にはすでに22ヵ所の1,000万トン級製油所が完成しており、うち100万トン級のエチレン生産基地は8ヵ所になる。2013年の中国の製油能力は7.13億トン、エチレン生産能力は1,788.5万トンに達し、米国に次ぐ世界第2位である。産業規模を見る限り、中国はすでに石油化学大国に伍している。

 マクロ経済の影響で2012年以降、中国国内の石油化学品の需要は頭打ちになっている。2020年までは中国のエチレン産業は長期的に生産能力の伸びが需要の伸びを上回る状況が続くことになる。

 生産能力の過剰と原料価格の高止まり、低価格の輸入品の衝撃など様々な要素が錯綜して、中国の石油化学企業の多くは生産を一時停止して操業コストを引き下げることを迫られている。全国エチレン工業協会が中国のエチレンプラント22ヵ所を調査したところでは、2012年以降、石油化学企業11社が相次いでプラントを停止してメンテナンスを行っている。例えば、吉林石化と上海石化は低効率の老朽プラントを永久停止した。

 近年、中国国内のエチレン生産能力の建設スピードも下がっている。2005年の全国のエチレン生産能力は788.5万トンであったが、2011年には1,512.5万トンになり、伸び率は91.8%になった。しかし2013年の生産能力は2010年からわずか276万トン増加しただけであり、伸び率は18.2%に過ぎなかった。石炭由来メタノールやメタノール系オレフィン技術の商業化、シェールガス革命の影響で、伝統的なナフサ系エチレンの競争力が減退し、そのためエチレン生産能力建設の伸び率が一定程度抑えられたと見られる。全国エチレン工業協会の予想では2016年には新規エチレン生産能力で伝統的な石油工程を採用するのはわずか180万トンであり、一方、今後5年、中国で新たに建設される1,000万トンのエチレン生産能力の中で60%以上が石炭化学工程を採用することになる。

 (和訊網 9月4日)