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【石油・天然ガス】

中国の原油先物取引が年末には開始か 国際原油市場における発言権獲得を目指す (14/09/09)
2014/9/15
中国【石油・天然ガス】

 上海国際エネルギー取引センターからの情報によると、同センターは目下原油先物の決済や検証標準について研究を進めており、関連規約が間もなくグローバル市場に向けて公示され意見を求めることになる。これは世界の原油デリバティブ市場における初の「中国スタンダード」になる。中国証券監督管理委員会も原油先物市場の年内開始を目指すと表明しており、原油先物市場の開始がますます近づいている。

 現在世界で最も大きい影響力がある原油先物市場はWTI(West Texas Intermediate)とロンドンのBRENTである。卓創諮詢の原油アナリスト高健氏によると、世界の原油スポット価格は基本的に全て先物価格と連動し、原油先物価格はWTIとBRENTの準拠している。

 中国は世界最大の原油純輸入国であり、原油対外依存度は60%近くに上るが、国際原油市場における価格決定権を有しておらず、基本的な発言権さえもない。中国の石油需給や価格が国際資源にますます依存するようになり、それに伴いリスクもますます大きくなっている。

 「購入や価格交渉において中国は国際市場価格に受動的に従うしかなく、原油先物市場の売り手が主導権を握っている。中国は外国に抑えられ、損をしやすい立場だ。「アジアプレミアム」はその一例であり、中国経済の長期的発展にとって不利だ」と高健氏は言う。アジアの主要石油消費国が中東の産油国に支払う価格は欧米向け価格より1バレル当たり1〜1.5ドル高くなる。そのため中国は毎年約20億ドル以上余計に支払わなければならない。

 「将来、中国の原油先物の影響力が日増しに拡大すると、中国の原油先物価格が一定地域の価格スタンダードに選ばれる可能性もある。そうなれば中国は国際市場交渉においてカードを増やすことになる」と高健氏は見ている。中国版原油先物が国際原油市場における中国の発言権と価格決定権の獲得にとって有利に働くことは間違いない。

 (北京日報 9月9日)