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【石炭】

中国が石炭依存から徐々に脱却 (14/10/30)
2014/11/6
中国【石炭】

 最新レポートによると、中国のPM2.5に対する石炭の「貢献度」は6割に上る。石炭輸入に対するゼロ関税廃止などの措置に伴い、中国の石炭使用量は今世紀以降では初めてマイナスになった。このことは中国経済が石炭への依存から徐々に脱却しつつあることを示している。しかしながら、「脱石炭化」はまだ大きな流れの一つに過ぎず、中国のエネルギー構造調整にははるかに長い道のりになる。

 グリーンピースの分析データによると、今年第1〜第3四半期の中国の石炭使用量は前年同期比1〜2%減少した。今世紀以来、石炭使用量の伸び率が毎年5〜10%に上っていたこととは鮮やかな対照になる。英国メディアは、中国経済の成長率が依然7.4%を維持していることから、中国経済は石炭に対する依存から目下脱却しつつあるとしている。石炭使用量の低下の原因は需要の減少になる。中国統計局によると、中国経済の成長は重工業セクターではなく、サービス業や水力発電、風力発電などの新型再生可能エネルギーによるところがますます増えている。

 一方、10月20日に天然資源保護協会(NRDC)が発表した《中国の大気汚染に対する石炭使用の貢献》と題するレポートによると、石炭消費に起因するPM2.5の排出量は総排出量の62%を占め、二酸化硫黄については93%、窒素酸化物では70%を占める。

 中国の当面の状況を見る限り、伝統的な石炭火力発電から、水力発電やその他の新エネルギー発電モデルへの転換がすでに始まっており、中国のエネルギー構造調整に成果が表れ始めた。しかしながら、これによって中国が石炭依存から脱却したと言うのは時期尚早である。「脱石炭化」は一つの流れに過ぎず、数年間で達成できるものではない。

 専門家によると、エネルギー構造調整を進めるには、すぐに脱石炭化へ走るのではなく、まず石炭に代替するエネルギーを発展させなければならない。石炭使用に代替するには、他のエネルギーを成熟させることが必要であり、それによってようやくエネルギーの使用率を下げることが可能になる。スモッグがますます深刻化する環境危機を前に、解決を優先すべき問題はエネルギー調整でもなければ、脱石炭でもない。環境保護を実現し、エネルギー効率を高めるためには石炭をどのように利用するかが重要である。

 総じて言えば、中国の環境保護技術の開発は遅く、そのため、石炭使用後の汚染について誤解が生じている。脱石炭化は長期的に見れば大きな流れになるが、エネルギー構造調整も必ず通らなければならない道のりである。

 
 (中国日報網 10月30日)