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【石炭】

中国の石炭輸入税再開が外国石炭生産企業の神経を逆なで (14/11/03)
2014/11/6
中国【石炭】

 中国政府は、自国の石炭産業の苦境を緩和するため、石炭輸入税の課税を決定した。そのため、南アフリカやオーストラリアなど石炭生産国は巨額の損失を被ることになる。

 中国は世界最大の石炭輸入国であり消費国であるが、中国国内の石炭生産企業の70%以上が赤字状態にある。今年、中国の一般炭価格は24%下落したが、安価な輸入炭は中国の石炭企業をますます経営難にさせている。

 XMP Consulting社の石炭アナリストXavier Prevost氏は、石炭輸入税によって中国の石炭輸入量は大幅に縮小すると見ている。「今後、中国への石炭輸出は減少し、産業全体にネガティブな影響を及ぼすだろう。このような影響がいつまで続くのかは分からず、恒久的なものになるかもしれない」とXavier Prevost氏は言う。

 これより先、中国は来年から高灰分、高硫黄分の石炭の輸入や販売を禁止して、大気汚染問題を解決すると表明していた。南アフリカのシンクタンクFrontier AdvisoryのCEOを務めるMartyn Davies氏によると、中国のGDPが低下するとともに、中国政府が経済成長の量よりも質に関心の重点を移すようになり、環境問題解決のスケジュールも打ち出すことになった。「石炭需要を減らすことは長期的な流れになる。現在石炭は中国のエネルギー需要の90%余りを占めている。そのため、中央政府は低品質の石炭輸入の禁止も含めて、様々な法規や石炭産業の規制措置を打ち出すだろう。そのことが中国の石炭輸入先にネガティブな影響を及ぼすことは間違いない」とMartyn Davies氏は言う。

 10月24日、南アフリカの一部石炭企業の株価が下落し、Exxaro Resourcesの株価は2.13%、BHP Bilitonは3.39%下がった。一方、中国の石炭企業の株価は上昇し、大同は3.33%、エン州煤業は0.45%の上昇になった。

 輸入税の課税により中国の輸入炭価格はトン当たり20元上昇して、輸入炭と国産炭の価格差はますます縮小する。また、中国政府は高灰分の石炭の販売と輸入を禁止することも計画している。

 (生意社 11月3日)