「現在、わが社の炭層ガス採収コストは1m3当たり約2元であるが、販売価格はわずか1.6〜1.7元、補助金はわずか0.2元で、企業の赤字は深刻だ」。炭層ガス採収量で中国最大の山西省にある山西藍焔煤層気集団の永東日総経理(社長)は「逆さや」に起因する企業の経営難を明らかにした。 こうした状況は長年続いており、そのため、企業の炭層ガス開発に対する積極性を挫けさせている。国家発展改革委員会は8月に通達を発し、炭層ガス出荷価格の自由化を打ち出した。炭層ガスが国際陸上天然ガスや輸入パイプラインガスとともに輸送、販売される場合、炭層ガス供給企業と川下の需要家が独自に販売及び輸送契約を結ぶことが可能になり、ガス源と出荷価格は市場により決定されることになる。 しかしながら、こうした措置が炭層ガス開発に所期のインセンティブ効果を及ぼしたことはなく、炭層ガス企業の販売価格が上がることもなかった。 中国最大の炭層ガス採収企業である山西省晋煤集団の幹部によると、2013年の同社の炭層ガス採収量は25億1,600万m3、利用量は15億1,100万m3に止まり、同社の年間採収目標100億m3には大きな隔たりがあった。 これは中国の炭層ガス産業が普遍的に直面している現状である。広大な鉱区を有する炭層ガス企業も「逆さや」のため、開発を急ごうとはせず、極端に言えば、鉱区の囲い込みをしておきながら採収しようとしない。中国石油天然ガス (PetroChina)、中聯煤層気、中国石油化工(SINOPEC)の大手国有3社は山西省の炭層ガス鉱区の99.2%を占めているが、その殆どは未だに採収を行っていない。 エネルギー第12次5ヵ年規画は2015年に炭層ガス商品量を200億m3にすることを打ち出しているが、その採収計画目標は達成し難い。 業界関係者によると、中国の地上炭層ガス採収量のここ数年の増加ペースは毎年わずか5億m3であり、坑内採収もわずか10億m3の増加ペースに止まっている。「中国は毎年炭層ガス採収目標を定めているが、1年過ぎても達成したためしはない」と晋煤集団炭層ガス局の何輝副局長は言う。 中国の石油対外依存度は58.1%、天然ガス対外依存度は31.6%に達し、天然ガス消費では世界第3位、しかも需要量は今後とも大幅に増加することになる。一方、中国は炭層ガス埋蔵量世界第3位であり、陸上在来型天然ガス埋蔵量にほぼ匹敵する36.8兆m3の炭層ガス資源を有している。然るに、「逆さや」等の要因により、中国の炭層ガスは「天然ガス不足」の緩和に大きな貢献を果たせないままである。 中国とは対照的に、炭層ガス埋蔵量では中国の半分にも及ばない米国の炭層ガス年間生産量はすでに1,000億m3を超えており、開発速度でははるかに中国を上回る。 こうした問題について、山西省発展改革委員会マクロ研究院の王宏英院長は、中国は可及的速やかに炭層ガスへの助成基準を引き上げて当面の「逆さや」状況を改め、企業が開発に前向きになるようにしなければならないと指摘する。また、同氏は、石炭採鉱権と炭層ガス採収権の重複に起因する様々な矛盾を解消し、企業が共同開発の仕組みを確立するよう誘導すべきとしている。 (和訊網 11月6日)
「現在、わが社の炭層ガス採収コストは1m3当たり約2元であるが、販売価格はわずか1.6〜1.7元、補助金はわずか0.2元で、企業の赤字は深刻だ」。炭層ガス採収量で中国最大の山西省にある山西藍焔煤層気集団の永東日総経理(社長)は「逆さや」に起因する企業の経営難を明らかにした。
こうした状況は長年続いており、そのため、企業の炭層ガス開発に対する積極性を挫けさせている。国家発展改革委員会は8月に通達を発し、炭層ガス出荷価格の自由化を打ち出した。炭層ガスが国際陸上天然ガスや輸入パイプラインガスとともに輸送、販売される場合、炭層ガス供給企業と川下の需要家が独自に販売及び輸送契約を結ぶことが可能になり、ガス源と出荷価格は市場により決定されることになる。
しかしながら、こうした措置が炭層ガス開発に所期のインセンティブ効果を及ぼしたことはなく、炭層ガス企業の販売価格が上がることもなかった。
中国最大の炭層ガス採収企業である山西省晋煤集団の幹部によると、2013年の同社の炭層ガス採収量は25億1,600万m3、利用量は15億1,100万m3に止まり、同社の年間採収目標100億m3には大きな隔たりがあった。
これは中国の炭層ガス産業が普遍的に直面している現状である。広大な鉱区を有する炭層ガス企業も「逆さや」のため、開発を急ごうとはせず、極端に言えば、鉱区の囲い込みをしておきながら採収しようとしない。中国石油天然ガス (PetroChina)、中聯煤層気、中国石油化工(SINOPEC)の大手国有3社は山西省の炭層ガス鉱区の99.2%を占めているが、その殆どは未だに採収を行っていない。
エネルギー第12次5ヵ年規画は2015年に炭層ガス商品量を200億m3にすることを打ち出しているが、その採収計画目標は達成し難い。
業界関係者によると、中国の地上炭層ガス採収量のここ数年の増加ペースは毎年わずか5億m3であり、坑内採収もわずか10億m3の増加ペースに止まっている。「中国は毎年炭層ガス採収目標を定めているが、1年過ぎても達成したためしはない」と晋煤集団炭層ガス局の何輝副局長は言う。
中国の石油対外依存度は58.1%、天然ガス対外依存度は31.6%に達し、天然ガス消費では世界第3位、しかも需要量は今後とも大幅に増加することになる。一方、中国は炭層ガス埋蔵量世界第3位であり、陸上在来型天然ガス埋蔵量にほぼ匹敵する36.8兆m3の炭層ガス資源を有している。然るに、「逆さや」等の要因により、中国の炭層ガスは「天然ガス不足」の緩和に大きな貢献を果たせないままである。
中国とは対照的に、炭層ガス埋蔵量では中国の半分にも及ばない米国の炭層ガス年間生産量はすでに1,000億m3を超えており、開発速度でははるかに中国を上回る。
こうした問題について、山西省発展改革委員会マクロ研究院の王宏英院長は、中国は可及的速やかに炭層ガスへの助成基準を引き上げて当面の「逆さや」状況を改め、企業が開発に前向きになるようにしなければならないと指摘する。また、同氏は、石炭採鉱権と炭層ガス採収権の重複に起因する様々な矛盾を解消し、企業が共同開発の仕組みを確立するよう誘導すべきとしている。
(和訊網 11月6日)