1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中国とロシアが東西2つの天然ガスパイプライン計画案を確定 ガスプロムの対中供給規模は680億m3 (14/11/13)
2014/11/14
中国【石油・天然ガス】

 11月9日、習近平主席とプーチン大統領の立ち会いの下に、中露両国は一連の協力協議書に調印し、西ルート天然ガスパイプライン計画を実施に移すことになった。東西2つの天然ガスパイプラインが稼動すると、中国はロシア産天然ガスの最大の輸入国になる。

 中国石油天然ガス集団(CNPC)とロシアのGazpromの合意によると、ロシア側はシベリア西部からアルタイパイプラインを経由して中国へ年間300億m3の天然ガスを30年間にわたって供給する。

 Gazpromのミレル社長は、CNPCとの合意に基づき、ロシア側が4〜6年以内に中国への天然ガス供給を開始するとの見通しを示した。

 Gazpromの発表によると、同社がCNPCと調印した西ルートパイプラインの対中天然ガス供給の枠組合意内容には、ガス供給量、供給期間や「テイク・オア・ペイ」条項が含まれている。また、合意内容には西ルートの天然ガス売買、技術に関する合意や政府間協定の時間表も明確にしている。

 CNPCのウェブサイトによると、今回新たに調印された天然ガス合意が実施に移されると、中国はドイツを抜いてロシア天然ガスの最大の需要家になる。

 ミレル社長はさらに中期的な展望として、もう1本の新たな天然ガスパイプラインについても中国と交渉を進めていると表明した。このパイプラインは極東地区から天然ガスを輸送することになる。また、ミレル社長は、西ルートパイプラインからの天然ガス供給が始まると、中国へ輸送する天然ガスは、現在欧州へ輸送されているロシア産ガスの合計を上回ることになると述べた。

 業界のアナリストによると、今年中露両国が相次いで天然ガス契約を結んだことで、新たな天然ガス供給ルートが開かれるとともにアジア向け天然ガス価格を引き下げる上で基礎が固まる。

 なお、Gazpromは中国海洋石油総公司(CNOOC)との間でも石油・天然ガス分野での協力に関してMOUに調印したが、その内容は明らかにされていない。

 アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任によると、今回の合意によってロシアは経済と政治面で中国への依存を深めることになる。中国は世界で唯一財力と市場を有する国であり、ロシアが輸出する巨大なエネルギーを長期安定して消費することが可能だからである。一方、プーチンにとっては、ロシアがウクライナ事件によって孤立させられないことを欧州と米国に対して証明するチャンスになる。

 (華夏時報 11月13日)