1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

寧夏が石炭資源転換基地を建設へ (14/12/04)
2014/12/8
中国【石炭】

 伝統的な石炭化学工業の生産能力過剰が新型石炭化学工業の台頭を刺激している。石炭資源が豊かであり、石炭、水、土地のコンビネーションにも優れる寧夏回族自治区は石炭化学工業を発展させる上で優れた自然条件を備えている。銀川市政府のウェブサイトによると、寧夏は2020年までに中国の重要な石炭資源転換基地を完成させる見通しである。

 寧夏能源局の統計によると、寧夏の石炭資源は豊富であり、寧東地区だけでも石炭確認埋蔵量は273億トンに上る。これは東北3省の埋蔵量の合計に匹敵する。また、寧夏の石炭化学工業の生産能力は1,000万トンを超えており、うち新型化学工業の生産能力は539万トンに達する。神華寧煤の年産400万トンの間接液化プラントなど一群の現代的石炭化学工業が目下建設中であり、石炭由来のメタノール年産85万トン、CTO年産160万トン、ポリジェネレーション120万トン、DMEが21万トン、POM年産6万トンといった現代的石炭化学事業群がすでに完成している。神華寧煤の間接液化プラントは2016年9月に稼動する予定である。「神華寧煤の石炭液化事業は寧夏の石炭化学工業の中で最も重要な事業だ。寧夏はこの事業の発展を通して最大の石炭液化産業を徐々に発展させる」と寧夏能源局の関係者は述べた。

 但し、卓創資訊のエネルギー産業アナリストである隋氏は、将来の中国の石炭液化事業は寧夏ではなく新疆に集中することになると指摘し、「神華と伊泰は新疆で大規模な石炭液化事業を展開し、生産能力も寧夏を上回ることになる」と言う。

 加えて、原油価格の下落が続く中、石炭液化の価格優位も様変わりしている。張国宝前国家能源局長は第6回エネルギー企業高層フォーラムにおいて次のように指摘した。建設中の石炭液化事業の年間生産能力は3,000万トン余りに上るが、石炭化学工業が優位に立てるのは原油価格が1バーレル100ドルの線であり、油価下落が続けば石炭液化事業の価格優位は失われ、収益の余地も大幅に狭まる。石炭化学工業への投資を大胆に行うことは禁物である。

 (毎日経済新聞 12月4日)