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中国
【石炭】

2015年も石炭価格の低迷傾向続く (15/01/05)
2015/1/10
中国【石炭】

 2014年上半期は様々な影響により、国内石炭価格が急落した。8月から国は石炭産業の健全な発展を促進するため一連の政策を打ち出し、石炭価格が徐々に上昇し始めた。12月には神華集団の5,500キロカロリー一般炭はトン529元になった。

 2015年も引き続き石炭市場は買手市場としての構造が維持される。石炭供給の面では、資源の再編と生産能力の建設により、「三西」地区(山西・陝西・内蒙古西部)の生産量が増加する。一方、需要の面から見ると、中国経済が減速期に入り、沿海地区の石炭需要の伸びが頭打ちになると予想され、環渤海地区の石炭価格にも上昇の要素は乏しい。

 2015年には北方港湾の石炭輸送能力は1.45億トン増え、全体的に石炭貯蔵能力も大幅に増加する。しかし、北方港湾の石炭輸送能力の上昇ペースと石炭生産能力の増加ペースは川下の需要の増加ペースをはるかに上回ることになり、そのため沿海部の石炭市場は引き続き供給過剰傾向を呈する。一方、国は政策を策定して石炭輸入を制限しているが、インドネシア等の諸国は引き続き価格優位をもって中国市場に参入し、市場シェアを奪うことになる。

 加えて、2015年は水力発電の設備容量と「西電東送」が急速に増加し、そのため、火力発電の発電量と石炭消費の伸びは著しく抑えられる。2015年には水力発電の発電量は前年に比べ1,000億kWh増えて1兆kWh近くになり、石炭消費は約4,400万トン減少する。同時に国家電網公司の特高圧(UHV)送電線が増加するが、これも石炭市場に新たな衝撃を及ぼす。

 総合的に見て、来年の石炭価格の上昇幅は大きいものにはならないと予想される。港湾の終値は山西省の一般発電用石炭企業の損益分岐点前後で低迷することになり、5,500キロカロリー一般炭はトン当たり520〜550元で安定することになろう。

 (中国能源網 1月5日)