国家能源局、環境保護部並びに工業情報化部は《石炭の安全・低公害開発並びにクリーン・高効率の利用の促進に関する意見書》を公布し、石炭の発展方式の転換、石炭資源の総合開発水準の向上、石炭産業の安全・低公害・集約・高効率の発展を実現するよう求めた。
　
　意見書は2020年の目標として、次のような要求を打ち出している。

・石炭産業の生産力を大幅に上昇させ、適正で合理的な資源開発を進める。石炭採掘の機械化率を85％以上とし、掘進の機械化率を62％以上にする。

　・石炭生産100万トン当たりの死亡率を0.15人以下に引き下げる。

　・資源開発利用率を大幅に高め、資源循環利用体系のさらなる完備を進める。生態環境を顕著に向上させ、低公害鉱山の建設において前向きの成果を上げる。

　・省資源型・環境配慮型エコロジー文明鉱区の建設において大きな進展を遂げる。

　・石炭のクリーン・高効率利用水準を顕著に向上させ、石炭火力発電技術と単位当たりの発電用石炭消費量において世界先進レベルに達する。石炭消費に占める発電用石炭の比率を60％以上に高める。工業用石炭焚ボイラーの運転効率を2013年比で7ポイント引き上げる。石炭エネルギー転換効率を2013年比で2ポイント以上引き上げる。

・低品位炭資源の開発と総合利用の研究を発展させる。

・新型石炭化学工業の高効率・環境保護・低消費型発展を実現する。

・資源利用率が高く、安全が確保され、経済収益に優れ、環境汚染が少ない持続可能な発展目標を実現する。

　こうした目標を実現するため、意見書は以下の9項目の主要任務を提示している。

　（1）石炭の開発・利用の規模を科学的に計画する。2020年には全国の石炭総生産能力に占める大型石炭基地のシェアを95％前後にする。一次エネルギー消費に占める石炭の比率を62％以内に抑える。

　（2）炭鉱の安全・低公害採掘を強力に推進する。2020年には厚炭層及び超厚炭層の採収率を70％以上とし、中厚保炭層の採収率を85％以上、薄炭層を90％以上とする。

　（3）鉱区の循環経済を高度に発展させる。2020年にはボタ総合利用率を75％以上とする。

　（4）炭層ガス（炭鉱ガス）の開発・利用を加速させる。2020年には新規炭層ガス確認埋蔵量を1兆m3とし、炭層ガス（炭鉱ガス）生産量を400億m3とする。

　（5）石炭の品質と利用標準を引き上げる。2020年には選炭率を80％以上とする。環渤海地区等に11ヵ所の大型石炭貯蔵配送基地及び一群の物流パークを重点的に建設する。

　（6）クリーン・高効率の石炭火力発電の発展に力を入れる。水資源、環境キャパシティや生態系の受入能力を考慮しつつ、新疆、内蒙古、陝西、山西、寧夏等の石炭資源地区に、最先進の省エネ、節水、環境保護標準に基づき、対外送電を主とする1,000万kWクラスのクリーン・高効率大型石炭電力基地を9ヵ所建設する。

　（7）工業用石炭焚ボイラーとキルンの技術水準を高める。2020年までに低効率で排出基準を満たさない既存のボイラーとキルンを基本的に淘汰するかもしくは改修を進め、先進的高効率ボイラーの比率を50％以上にする。

　（8）石炭の加工転換のレベルを適正に高める。2020年には現代的石炭化学工業の産業化実証事業において段階的な成果を上げる。より一層完備された独自技術と装備体系を形成する。低品位炭の等級別品質向上のコアテクノロジーで打開を遂げ、100万トンクラスの実証応用を実現する。

　（9） 石炭利用における汚染物排出を減らす。2020年には石炭燃焼による固体廃棄物の資源化利用率を75％以上に高める。

　（中国煤炭報 1月15日）