国際石油価格の大幅な下落は中国の石炭液化事業の建設に影響を及ぼしているのだろうか。中国化工報の最近の取材から、中国の石炭液化事業は計画通りに整然と推進されていることが分かった。企業は石炭液化事業に自信を失ってはいない。 エン鉱集団副総経理であり陝西未来能源化工公司総経理でもある孫啓文氏によると、陝西省楡林におけるエン鉱の100万トン石炭液化事業は今年5月に試験生産を開始し、6月には合格石油製品の生産を目指している。 伊泰集団公司の姜建生副総工程師によると、同社の新疆イリにおける建設中の年産100万トンの石炭液化事業では、春節前後に5台のガス化炉を設置する。また、新疆ウルムチ市の年産200万トンの石炭液化事業も工場用地の整地が行われている。また、内蒙古杭錦旗の年産100万トンの精密化学事業も今年土木工事に進み、大量の設備が取り付けられることになる。 神華寧煤の年産400万トン石炭間接液化事業は今年設備の設置が本格的に進む。事業建設は計画よりも約3ヵ月早く進捗しており、2016年9月には石炭液化Aラインの試験生産を開始する計画である。 石炭液化の投資企業は、油価の変動は正常な市場現象であるが、石炭液化は中国のクリーン・コールとエネルギーセキュリティ戦略における重要な方針であり、油価の一時的な変動によって停滞させてはならないと考えており、決して自信を失ってはいない。姜建生副総工程師には、油価の下落は石炭液化事業に確かに影響を及ぼすが、低い原油価格が長期間続く可能性は低いと指摘する。また、油価の下落に伴い、鋼材、石炭など石炭液化事業の変動コストと固定コストも下落しているとのことである。改めて試算を行ったところでは、油価が1バレル約50ドルで石炭液化事業の損益平衡点になり、内部収益率の平衡点は70ドル前後になる。姜建生副総工程師は、事業は本来市場が低潮な時期に建設し、市場の高潮時に稼動すべきものであり、石炭液化事業も同様であるとの見方を示した。 中科合成油技術公司の李永旺総経理によると、現在建設中の石炭液化事業が稼動のピークに入るのは3年後であり、その頃にならないと油価が石炭液化事業に真の意味で影響することはない。油価の下落が3年間続いたとしても、石炭液化事業にとってはむしろメリットになる。3年後に油価が回復すれば、石炭液化事業はより多くの利益を得られることになろう。 エン鉱集団の張新文董事長(会長)は次のように表明した。市場がどのように変動しようとも、石炭液化事業はリスク抵抗能力と運営レベルを高めなければならない。我が社は引き続きクリーン・コール技術の研究開発を推進し、ウォーター・コール・スラリーのガス化、石炭ガス化、石炭液化に代表される石炭化学工業のコアテクノロジーを速やかに完備して、産業化発展水準の向上に努める。 中科合成油技術公司の唐宏青技術顧問は次のように表明した。石炭化学工業を発展させるのは、中国国内の相対的に豊かな石炭資源の優位をもって在来型の石油化学原料並びに製品の不足を補完し、市場を安定させることが目的だ。石炭液化は今回の油価下落の試練に耐えることが出来ると信じている。今後到来する調整期に備え、技術革新、環境保護と省エネを速やかに進め、もって企業のリスク抵抗能力と運営管理レベルを向上させることが急務だ。 (中国化工報 1月15日)
国際石油価格の大幅な下落は中国の石炭液化事業の建設に影響を及ぼしているのだろうか。中国化工報の最近の取材から、中国の石炭液化事業は計画通りに整然と推進されていることが分かった。企業は石炭液化事業に自信を失ってはいない。
エン鉱集団副総経理であり陝西未来能源化工公司総経理でもある孫啓文氏によると、陝西省楡林におけるエン鉱の100万トン石炭液化事業は今年5月に試験生産を開始し、6月には合格石油製品の生産を目指している。
伊泰集団公司の姜建生副総工程師によると、同社の新疆イリにおける建設中の年産100万トンの石炭液化事業では、春節前後に5台のガス化炉を設置する。また、新疆ウルムチ市の年産200万トンの石炭液化事業も工場用地の整地が行われている。また、内蒙古杭錦旗の年産100万トンの精密化学事業も今年土木工事に進み、大量の設備が取り付けられることになる。
神華寧煤の年産400万トン石炭間接液化事業は今年設備の設置が本格的に進む。事業建設は計画よりも約3ヵ月早く進捗しており、2016年9月には石炭液化Aラインの試験生産を開始する計画である。
石炭液化の投資企業は、油価の変動は正常な市場現象であるが、石炭液化は中国のクリーン・コールとエネルギーセキュリティ戦略における重要な方針であり、油価の一時的な変動によって停滞させてはならないと考えており、決して自信を失ってはいない。姜建生副総工程師には、油価の下落は石炭液化事業に確かに影響を及ぼすが、低い原油価格が長期間続く可能性は低いと指摘する。また、油価の下落に伴い、鋼材、石炭など石炭液化事業の変動コストと固定コストも下落しているとのことである。改めて試算を行ったところでは、油価が1バレル約50ドルで石炭液化事業の損益平衡点になり、内部収益率の平衡点は70ドル前後になる。姜建生副総工程師は、事業は本来市場が低潮な時期に建設し、市場の高潮時に稼動すべきものであり、石炭液化事業も同様であるとの見方を示した。
中科合成油技術公司の李永旺総経理によると、現在建設中の石炭液化事業が稼動のピークに入るのは3年後であり、その頃にならないと油価が石炭液化事業に真の意味で影響することはない。油価の下落が3年間続いたとしても、石炭液化事業にとってはむしろメリットになる。3年後に油価が回復すれば、石炭液化事業はより多くの利益を得られることになろう。
エン鉱集団の張新文董事長(会長)は次のように表明した。市場がどのように変動しようとも、石炭液化事業はリスク抵抗能力と運営レベルを高めなければならない。我が社は引き続きクリーン・コール技術の研究開発を推進し、ウォーター・コール・スラリーのガス化、石炭ガス化、石炭液化に代表される石炭化学工業のコアテクノロジーを速やかに完備して、産業化発展水準の向上に努める。
中科合成油技術公司の唐宏青技術顧問は次のように表明した。石炭化学工業を発展させるのは、中国国内の相対的に豊かな石炭資源の優位をもって在来型の石油化学原料並びに製品の不足を補完し、市場を安定させることが目的だ。石炭液化は今回の油価下落の試練に耐えることが出来ると信じている。今後到来する調整期に備え、技術革新、環境保護と省エネを速やかに進め、もって企業のリスク抵抗能力と運営管理レベルを向上させることが急務だ。
(中国化工報 1月15日)