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中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国は経済の衰退に準備すべし (08/01/15)
2008/1/16
中国【エネルギー全般・政治経済】

 ゴールドマン・サックスは9日の顧客向け報告書の中で、米国の2008年の経済成長率予測を従来の1.8%から0.8%に下方修正し、失業率を5%から6.5%に上方修正した。

 雇用の減少は債務の拡大、没収不動産の増加、米国の消費力の更なる低下を意味しており、このため、中国の輸出と、依然として輸出に依存する中国経済にとっては厳しいものなるだろう。

 コンサルティング・研究機関である亜太博宇の分析によると、もし、米国経済の衰退が始まれば、中国の経済成長率には顕著な低落が生じる。国連の報告書は中国の2008年の経済成長率を10%と予測しているが、これは米国が経済衰退から脱却することを前提にしたものである。米国経済が衰退すれば、中国の今年の経済成長率は8%に低下すると国連報告書は警告を発している。大多数の国にとって8%の経済成長率は相当高い数字であるが、しかし、中国にとっては経済の衰えが生じているに等しい。1年間で4ポイントもの低下によるハード・ランディングによって、数千万の農村の流動労働力と大学卒業生が職にあぶれることになり、農民工、青年労働者、中年の失業者や低所得層の生活水準はますます悪化する。

 さらに、輸出不振に陥った輸出企業がリストラ、減給や工場閉鎖を余儀なくされると、失った米国の需要を補うために政府が国内消費を喚起して国内購買力を高めることも不可能になる。

 経済衰退の赤信号はすでに点滅しているのである。

 (亜太博宇 1月15日)