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中国
【石炭】

中国の石炭生産量が十数年ぶりのマイナス 商業モデルに徹底変革も (15/01/28)
2015/2/4
中国【石炭】

 中国煤炭工業協会の先日の発表によると、2014年1〜11月の全国石炭生産量は35.2億トン、前年同期比2.1%減になり、通年の生産量は前年比約2.5%のマイナスになると予想される。石炭生産がマイナス成長になるのは2000年以来になる。

 政府は石炭産業の低迷からの脱却を図るため、2014年に石炭産業苦境脱却対策聯席会議制度を設け、違法な建設と生産や能力超過生産の禁止、過剰生産能力の解消、低品質石炭の流通と使用の制限、石炭構造調整の推進、企業の資金的逼迫の緩和、国有企業の審査制度の改善など一連の措置を講じた。

 こうした政策の実施により、2014年第4四半期には石炭市場に前向きの変化が生じたが、産業全体から見れば依然楽観を許さない。果たして、2015年には石炭産業の「厳冬」は終わるのだろうか。

 まず、石炭供給の面から見ると、石炭の生産能力はすでに40億トンを超えており、さらに建設中の生産能力は10億トン以上に上る。また、世界の石炭市場も供給過剰であり、中国の石炭輸入は依然比較的大きな規模を維持することになる。一方、国は違法炭鉱の生産と建設を厳重に取り締まるなど、石炭生産の闇雲な増加の勢いを抑制している。中国煤炭工業協会の予測によると、2015年には全国石炭市場の需給関係が徐々に改善するものの、多重的な要因の影響を受けて、供給過剰傾向を根本的に変えることは依然難しく、企業の経営圧力も依然大きいままであり、産業情勢には厳しいものがある。

 「黄金の10年」に別れを告げ、新常態(ニューノーマル)に入った石炭産業の行方について、中国煤炭工業協会政策研究部の張宏主任は次のように指摘する。石炭産業は構造調整を推進し、発展方式を数量・速度型から品質・収益型に転換しなければならない。産業発展を原炭の生産・販売から商品炭とクリーン・コールの販売に転換し、従来の燃料としての石炭から原料と燃料をともに重視する方向へ転換しなければならない。それ以外にも、石炭市場取引システムの整備を推進しなければならない。

また、姜智敏煤炭工業協会副会長兼事務局長は「中国のエネルギーの主体としての石炭の地位が短期的に変化することはないが、中国の経済発展の『新常態』とエネルギー革命の新たな要請に適応して、石炭開発利用方式に重大な変化が発生する。石炭供給はより一層理性的なものになり、クリーン・コールが重大なブレークスルーを遂げ、石炭企業の商業モデルに徹底した変革が発生する」と述べ、中国の石炭産業は転換と調整を経ることで依然大きな展望が広がるとした。

 (中国煤炭市場網 1月28日)