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中国
【石炭】

1月期の石炭輸入量の減少幅が15年来最大に 新たな品質規定が奏功 (15/02/09)
2015/2/12
中国【石炭】

 中国税関総署が2月8日に発表した統計によると、2015年1月の中国の石炭輸入量は1,678万トン、前年同月比53.2%の減少になり、過去15年来最大の減少幅になった。《商品炭品質管理暫定弁法》の施行から1ヵ月後、中国の石炭輸入統計はこの新規定が石炭輸入制限に及ぼした威力を示している。

 「これは予想された結果だ」と汾渭能源諮詢の石炭市場アナリストである王旭峰氏は言う。新政策の中で微量元素の検査に対する要件が厳格化され、そのため多くの輸入業者は昨年12月頃に石炭輸入計画を一時中断していた。新規定に大きな懸念があるため、様子を見守ることにしたのである。

 平安銀行エネルギー鉱産部エネルギーセンターの周泰主任は1月の石炭輸入が激減した理由について、第1に新たな《商品炭品質管理暫定弁法》の施行を挙げている。輸入業者の大多数は新しい基準の先行きを案じて敢えて輸入をしようとはしなかった。輸入した石炭が基準に適合せず返送するという事態も確実に生じるからである。第2に国内需要が確実に下がっており、価格のさらなる下落も予想されるからである。輸入炭は価格優位にあるとはいえ、到着した後で価格が下落することもあり得る。第3に、華東や華南の貿易業者の経営が厳しくなり、資金調達能力が下がっているため、輸入量を下げざるを得なかったからである。

 王旭峰氏は「今年1月下旬と2月上旬の輸入状況を見る限り、新規定が輸入業者に与える威力は決して大きいものにはならない。要件に適合しさえすれば基本的に何事もなく通関できる。また、税関は検査完了まで少なくとも2週間を要するとしている。但し、地方によって状況は異なり、上海は比較的厳正だが、その他の地方はそれほぼ厳しくはない」と言う。同氏の予想によると、2月の石炭輸入量は1月に比べるとやや上昇し、3月の輸入量は顕著に回復する。一方、周泰氏は、3月の輸入量は若干反発する可能性はあるが、最大でも2,000万トンに止まると予想する。

 新規定の威力は2015年早々顕在化し、今年の石炭輸入量は引き続き減少するというのが業界関係者の普遍的な見方である。中国煤炭工業協会の姜智敏副会長も1月のプレス発表会において、今年の石炭輸入量が大幅に減少することに期待を表明していた。

 (毎日経済新聞2月9日)