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【石油・天然ガス】

安い油価に乗じて石油戦略備蓄を完備せよ (15/02/11)
2015/2/17
中国【石油・天然ガス】

 習近平国家主席は2月10日、国際油価の低迷に乗じて石油戦略備蓄制度を速やかに完備することを提唱した。

 習近平主席は中央財経指導小組第9回会議を開き、国際エネルギー市場に発生している新たな状況と新たな変化に乗じて石油戦略備蓄制度を速やかに完備しなければならないと表明した。

 アナリストは、油価の低迷は中国が石油戦略備蓄を拡充するまたとないチャンスであると指摘する。

 また、アモイ大学エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、油価が低い水準を維持している間に戦略石油備蓄の拡大に取り組むことは極めて合理的だとし、「2009年に中国はチャンスを逃した。今度こそ時機を失してはならない」と述べた。また、林主任は、油価下落は中国が石油価格に対する影響力を高める上でも有利だと指摘した。

 税関統計によると、2014年の中国の原油輸入は約3.1億トン、原油対外依存度は60%近くになる。

 中国エネルギー研究会の周大地副理事長は、中国は今や世界最大の石油輸入国の一つであり、こうした状況においては所要の戦略備蓄を確立することが石油セキュリティを確保する上で重要であると指摘した。

 中国は2020年までに3期に分けて国家石油備蓄事業の建設を進め、純輸入量の100日分に相当する備蓄規模を形成する計画である。

 2014年11月に国家統計局は、4ヵ所の国家石油戦略備蓄基地の原油備蓄が1,243万トン、約9,100万バレルであることを明らかにした。しかし、この数字はIEAが推奨する輸入量の90日分、すなわち5.4〜6億バレルをはるかに下回る。

 林主任は、石油戦略備蓄制度の完備を急ぐとともに、今後は生産を適度に減らし、安い輸入原油を多く使用するとともに、石油企業の海外進出を加速させるべきであると提言する。

 (中新社 2月11日)