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中国
【石炭】

石炭輸入量の激減は主に政策要因 国内炭価格の安定回復が期待 (15/03/12)
2015/3/18
中国【石炭】

 中国税関総署が発表した統計によると、今年2月の石炭輸入量は1,526万トン、前年同月比33.13%、前月比9.06%の減少になった。2月の輸入量は2012年以降の最低を記録した。1〜2月の輸入量は合計3,204万トンであり、昨年1月の月間輸入量にも及ばなかった。2015年1〜2月の綏芬河口岸(通商口)のロシア炭輸入量はわずか4.53万トンに止まり、前年同期比90.96%の減少になった。供給過剰の中国石炭市場環境はやや改善され、国内の石炭価格形成にも有利に働くと見られる。

 2月期の石炭輸入量激減の背景はすでに明らかになっている。

 (1) 政策的要因
 《商品炭品質管理暫定弁法》が施行され、輸入炭の微量元素に対する規制が厳しくなり、通関にも時間がかかるようになって、石炭輸入のリスクが大きくなった。2月には北朝鮮から輸入した石炭から基準を超える水銀が検出され、返送された。これは1月1日に輸入炭品質検査の新規定が施行されて以来初めて返送されたケースになった。この一件は石炭輸入業者に衝撃を与えた。また、《商品炭品質管理暫定弁法》により、輸入炭の華中地区への輸送は全面的に規制された。そのため輸入業者の殆どは様子見を決め込み、国際市場からの一般炭調達量は減少した。これこそが2月期の石炭輸入量が激減した主要な要因である。

 (2) 需要的要因
 電力企業の石炭在庫が嵩む中で、在庫消化の圧力が大きくなっている。工業の電力需要の軟調、沿海部の主な電力集団企業の一部発電設備の停止や保守検査など、需要低迷と在庫高止まりが共存する局面が生じ、電力集団の石炭調達の動力源が不足している。

 (3) 価格的要因
 石炭輸入は今や収益が低い上にリスクが高いものになった。国内炭価格の下落により、輸入炭と国内炭の価格差が大幅に縮小している。

 分析と予測によると、2015年も中国の石炭輸入量は抑制され、通年の輸入量は2億トン前後にまで減るだろう。減少幅は30〜40%になる。沿海地区の石炭需給は基本的に平衡状態に達し、石炭価格の安定回復が期待される。

 (中国能源網 3月12日)