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【石油・天然ガス】

ロシアが対中天然ガスパイプライン建設を遅らせる可能性も (15/03/19)
2015/3/26
中国【石油・天然ガス】

 ロイターは3月18日、消息筋の情報を引用して、ロシアが2ヵ所の新ガス田から中国へ天然ガスを輸送するパイプラインの竣工時期を遅らせる可能性があると報じた。

 ロシア天然ガス大手Gazpromの事業計画に詳しい複数の匿名消息筋によると、プーチン大統領によって「シベリアの力」と名付けられた巨大パイプライン事業が先送りになる可能性がある。

 国際エネルギー価格の大幅な下落により、中国への天然ガス輸送のため、新ガス田開発に巨費を投じることは最早合理的ではない。もっとも、ロシア政府は550億ドルの「シベリアの力」パイプライン事業を延期する計画については一貫して否定している。ロシアのノヴァクエネルギー相は先週、ロイターの取材に対し、Gazpromは現行の計画を進め、2019年には「シベリアの力」パイプラインを稼動させると述べた。Gazpromはすでにロシアの鋼管メーカーと契約している。

 しかし、天然ガス業界と銀行業界の3人の消息筋によると、ロシア政府はパイプラインの竣工時期を遅らせ、先にコストの相対的に低い事業、すなわち既存のガス田から中国へ天然ガスを輸出するアルタイパイプラインを完成させる可能性がある。

 計画が変更されると、ロシア政府のアジア向けエネルギー輸出市場開拓計画の中核をなす「シベリアの力」パイプライン事業は事実上格下げされることになる。

 プーチン大統領は自ら全長4,000キロ、総工費550億ドルの「シベリアの力」パイプライン事業を進展させてきた。欧州がロシアのエネルギーに対する依存を引き下げようとしている中、ロシア政府は新たな天然ガス輸出市場を開拓することを決断し、2014年5月に調印された「シベリアの力」パイプライン事業関連の合意文書はロシアの外交政策の一大転換と目されていた。

 従来の計画によると、「シベリアの力」パイプラインは複数の新ガス田から中国東部の工業地帯へ天然ガスを輸送し、年間輸送規模は380億m3に上る。さらにロシアはウラジオストック所在の太平洋側港湾から天然ガスの一部を輸送することが可能になる。

 (騰訊財経 3月19日)