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中国
【石炭】

石炭化学工業熱が冷め化学用石炭需要の伸び率が低下 (15/03/23)
2015/4/2
中国【石炭】

 石炭産業発展研究センターが先日発表した《石炭産業の発展動向と第13次5ヵ年規画の展望》によると、第13次5ヵ年規画期及びそれ以降もさらに長期にわたって、石炭産業にはエネルギー需要の低下やエネルギー構造の低炭素化、環境上の制約など不利な影響が続くことになり、2020年の中国の石炭需要は標準炭換算で45〜48億トンになると予想される。化学工業の石炭需要は伸び率が持続的に下がり、3.5〜4.5億トン規模が続くと予想される。

 化学工業は石炭の大口需要家であるが、第13次5ヵ年規画期に中国経済は「新常態」(ニューノーマル)に入り、環境保護情勢のため、エネルギー消費構造は大きな調整を迫られる。すなわち、新エネルギーが急速に台頭する中で、化石エネルギー需要の強度と伸び率は下がり、化学工業の石炭需要の伸び率も低下が続く。その一方で、中国国内において比較的大規模な新型石炭化学工業事業の建設と計画が進められているものの、石炭化学工業の位置づけは戦略備蓄技術に止まり、環境キャパシティの制約や石炭主要生産地の水資源では石炭の大規模な転換が難しいなど、石炭化学工業熱は冷めざるを得ない。そのため、第13次5ヵ年規画期及び2020年以降の化学工業の石炭転化の規模はやや低減するだろう。

 国家石炭転化重点実験室の李永旺副主任によると、国の経済構造調整や産業の高度化が加速され、化学工業の生産能力の淘汰も相俟って、石炭需要の縮小が続き、第13次5ヵ年規画期も依然石炭消費の低下が続く。グリーン・低炭素経済を背景に、独自の知財権を有するクリーン・コール技術と産業を速やかに育成して、石炭転化のレベルアップを推進することが求められる。石炭化学工業は中国のクリーン・コールの重要な道筋であり、内蒙古、新疆、陝西等の現代的石炭化学工業の発展を優先する一方で、石炭の純移入地区や水資源不足地区の石炭化学工業は厳重に規制すべきである。《石炭産業の発展動向と第13次5ヵ年規画の展望》によると、中国の石炭生産能力はすでに50億トンを超えており、深刻な過剰局面が形成されている。高効率、クリーン、低炭素は世界のエネルギー発展の潮流であり、天然ガスと非化石エネルギーの急速な発展により、石炭化学工業は次第に疎外されつつある。第13次5ヵ年規画期はクリーン・コールの推進が大きな流れになる。石炭化学工業は最も厳正な環境保護要件と水資源供給の保障を前提に、新型石炭化学工業の高度化実証事業や関連技術の研究を堅実に推進しなければならない。

 (新浪財経 3月23日)