1. HOME
  2. 中国 【電力】

中国
【電力】

発電用石炭の不足が拡大 雲南の電力供給が逼迫 (08/01/17)
2008/1/18
中国【電力】

 南方電網所轄の5省・自治区の発電所は石炭不足による発電機停止に見舞われ、南方電網の電力不足に拍車がかけられている。中でも雲南省では380万kWの発電機が停止されている。すぐにでも発電用石炭の不足を補うことが出来なければ、雲南省の広い範囲で電力の逼迫が生じる公算が大きい。

 専門家によると、旧正月期間の電力供給を確保するために、雲南省の火力発電所は1月末までに130万トンの石炭在庫を確保しておく必要がある。しかし、1月8日時点で主要火力発電所の石炭在庫は合計85万トン余りに過ぎず、不足は44万トンに及んでいる。今年に入ってから、雲南省の発電用石炭消費量は1日当たり9.5万トン、一方石炭の供給は10.7万トンであり、石炭在庫は1日につき1.2万トン増える計算になるが、しかし、このペースでは今月末までに130万トンの在庫を確保することは到底不可能である。

 雲南省は、発電用石炭の不足に対して、貴州省から無煙炭70万トンを調達したり、省内の炭鉱に対する許認可を加速して全省の炭鉱の生産量を拡大したりするなどの措置を取っている。

 雲南省煤炭学会の陳炳昌秘書長は発電用石炭不足の原因として、次の3点を挙げる。第1に、雲南省は、大型炭鉱が少なく小型炭鉱が多いため、火力発電企業にとっては石炭供給基地になり得ない。第2に、現在炭鉱から火力発電企業に送られる石炭はすべて政府の強制配給によるものであり、価格は市場価格よりも1トン当たり50〜100元も安く、そのため炭鉱は火力発電企業への供給を好まず、売り惜しみする例が多い。第3は政策要因である。雲南省の炭鉱は事故の発生が多いため、政府が認可する石炭生産規模は現地の実際の石炭生産能力よりも小さく、市場の需要量も下回っている。そのため、石炭市場は常にタイトな傾向にある。

 旧正月期間における発電用石炭在庫不足を解決するため、陳炳昌秘書長は次のような提言をしている。政府は石炭企業に補助金を給付して、火力発電企業向けの石炭供給を奨励する。火力発電企業は発電用石炭の買入価格を引き上げて、炭鉱企業の在庫を買い上げる。政府は中小炭鉱の休業期間を短縮して、操業期間を延長する。貴州以外からも石炭を調達する。但し、陳炳昌秘書長によると、こうした措置は対症療法に過ぎず、時代遅れの発電用石炭の供給、販売システムを改革しない限り、雲南省全体の発電用石炭不足問題を根本的に解決することは不可能である。

 (新華網 1月17日)