ロシアと中国は天然ガス契約において脱米ドル化を推進している。 《ロシア・トゥデイ》によると、ロシア天然ガス企業GazpromのElena Burmistrova CEOは6月16日、西ルートパイプラインによる対中天然ガス供給交渉において、中国とロシアが人民元とルーブルによる決済について討議を進めていると述べた。但し、売買契約は未だ調印されておらず、決済通貨も未だ最終的に確定していない。 「西ルート」と呼ばれるアルタイガスパイプラインと「東ルート」と呼ばれる「シベリアの力」ガスパイプラインが開通すると、中国はロシア産天然ガスの最大の買い手になる。 実際、ロシア企業は米ドル決済を放棄して人民元による貿易決済に徐々に転じつつある。英国《フィナンシャルタイムズ》の6月初めの報道によると、ロシア第3位の石油生産企業Gazprom Neftは今年初頭から、ESPO(東シベリア−太平洋)石油パイプラインによって中国へ輸出する石油を人民元で決済している。Rosneftも中国に輸出する石油を人民元で決済するよう準備している。 《モスクワタイムズ》の6月16日付報道によると、前出のエネルギー企業に加え、ロシア最大の銀行であるSberbankも含め、ロシアの金融機関も米ドルから人民元に転じつつある。6月初頭にはロシア中央銀行の第一副総裁は、同行が新たな人民元融資ツールについて銀行業界と討議していることを明らかにした。 昨年夏までは、ロシア企業は原油輸出の殆どを米ドルで決済していた。 ロシアは「アジアへ転向する」外交政策を始動しているが、これはロシアのウクライナ干渉に対する西側からの制裁に対応するものである。 また、米国の金融サイトZero Hedgeによると、脱米ドル化は、中国が新しいインフラ基金によって人民元の国際化を推進していることにも関係している。中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の貿易決済において人民元が重要な役割を演じるよう推進することになる。AIIBとシルクロード基金に設ける特別準備金は人民元建融資として投入される公算である。加えて、中国が主導する「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)計画に関わる諸国の多くはエネルギー輸出国である。 (中国能源網 6月18日)
ロシアと中国は天然ガス契約において脱米ドル化を推進している。
《ロシア・トゥデイ》によると、ロシア天然ガス企業GazpromのElena Burmistrova CEOは6月16日、西ルートパイプラインによる対中天然ガス供給交渉において、中国とロシアが人民元とルーブルによる決済について討議を進めていると述べた。但し、売買契約は未だ調印されておらず、決済通貨も未だ最終的に確定していない。
「西ルート」と呼ばれるアルタイガスパイプラインと「東ルート」と呼ばれる「シベリアの力」ガスパイプラインが開通すると、中国はロシア産天然ガスの最大の買い手になる。
実際、ロシア企業は米ドル決済を放棄して人民元による貿易決済に徐々に転じつつある。英国《フィナンシャルタイムズ》の6月初めの報道によると、ロシア第3位の石油生産企業Gazprom Neftは今年初頭から、ESPO(東シベリア−太平洋)石油パイプラインによって中国へ輸出する石油を人民元で決済している。Rosneftも中国に輸出する石油を人民元で決済するよう準備している。
《モスクワタイムズ》の6月16日付報道によると、前出のエネルギー企業に加え、ロシア最大の銀行であるSberbankも含め、ロシアの金融機関も米ドルから人民元に転じつつある。6月初頭にはロシア中央銀行の第一副総裁は、同行が新たな人民元融資ツールについて銀行業界と討議していることを明らかにした。
昨年夏までは、ロシア企業は原油輸出の殆どを米ドルで決済していた。
ロシアは「アジアへ転向する」外交政策を始動しているが、これはロシアのウクライナ干渉に対する西側からの制裁に対応するものである。
また、米国の金融サイトZero Hedgeによると、脱米ドル化は、中国が新しいインフラ基金によって人民元の国際化を推進していることにも関係している。中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の貿易決済において人民元が重要な役割を演じるよう推進することになる。AIIBとシルクロード基金に設ける特別準備金は人民元建融資として投入される公算である。加えて、中国が主導する「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)計画に関わる諸国の多くはエネルギー輸出国である。
(中国能源網 6月18日)