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【石油・天然ガス】

ロシアの天然ガスは中国の天然ガス輸入構造にいかなる影響を与えるのか (15/07/03)
2015/7/9
中国【石油・天然ガス】

 中露天然ガスパイプライン西ルートについてもすでに基本合意がなったが、ロシアと中国のエネルギー協力のビジョンはロシアと中国にとっていかなる意義を有するのか。中投顧問公司のエネルギー産業研究員宋智晨氏に質問した。

 1. 中露天然ガスパイプライン東ルートが着工し、2018年から年間300億m3の天然ガスを輸入することになる。中国の天然ガス需要の伸び率の低下や国際石油価格の低迷の中で、中国国内の天然ガス価格が再度引き下げられる公算だ。ガス価格引下げは下流の市場の開拓に対してどのように影響するのか。
 宋智晨研究員:ガス価格の引き下げは天然ガスの下流産業の開拓にとって有利に働く。まず、天然ガス価格の引き下げにより、石油等の代替エネルギーとしての天然ガスの経済性がより一層体現されることになる。第2に、都市ガス業者にとってコストの低下は市場開拓に有利であり、中長期的にガス供給量の増加につながる。第3に、ガス価格の引き下げは天然ガス工業、発電、車両・船舶交通に対しても一定の利益になる。

 2. 中露天然ガスパイプライン西ルートについてもすでに基本合意がなった。ロシアと中国のエネルギー協力のビジョンはロシアと中国にとってどのような意義を有するのか。
 宋智晨研究員:ロシアと中国のエネルギー協力は中露双方にとって長期的な戦略意義を有している。まず、中国にとっては、中露天然ガス協力は東北地区の天然ガス不足を有効に緩和し、北京・天津・河北地区の大気汚染の現状を改善させる。同時に中国が輸入先の多元化を実現してエネルギー供給の安全性を確保する上でも重大な意義を有している。一方、ロシアにとっては、中国市場に進出して、ロシア経済の持続的な安定成長を牽引する上で有効である。

 3. 中国のパイプラインガスの主な輸入先はこれまで中央アジア地区だった。ロシアの天然ガスは中国の天然ガス輸入構造にどのような影響を及ぼすのか。
 宋智晨研究員:ロシアからの天然ガス輸入は中国が天然ガス輸入のルート、供給源及び種類を増やす手助けになり、中国の天然ガス輸入の多元化戦略配置が基本的に完成したことを示すものである。中国のエネルギーセキュリティ確保にとって重大な意義を有する。また、ロシアから輸入する天然ガスの主な目標市場は東北、北京・天津・河北及び長江デルタ地区になり、そのため、全国のガス供給構造のバランスにも有利に作用する。

 (中国投資諮詢網 7月3日)