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発電用石炭在庫不足が警戒ラインに接近 石炭輸送に全力 (08/01/23)
2008/1/23
中国【電力】

 発電用石炭の輸送が逼迫する中、国家発展改革委員会(NDRC)は昨日、重点発電企業に対する発電用石炭の優先確保、発電用以外の石炭の輸送停止など非常手段を取って発電用石炭の輸送を手配した。

 国家電網の見通しでは、華中地区の暴風雪の影響により、華中電網の逼迫が緩和されるのは早くとも今週木曜か金曜になる。

 発電用石炭の供給量が1日当たりの消費量を下回る例が増えている。20日夜の時点で全国の発電用石炭在庫は前年同期に比べ40%以上も少ない1,773万トンに落ちており、8日分の発電を維持することしか出来ない。

 中でも華中電網の在庫は通常在庫の半分、わずか7日分の使用量に当たる557.41万トンにまで落ちた。華中電網の在庫は今なお毎日10万トンのペースで減少しており、特に湖北、重慶、湖南、四川、江西の各電網の石炭在庫量は顕著な低下を示している。

 専門家の予測によると、今月末に全国石炭在庫は1,400万トンしか維持することが出来なくなり、6日分の警戒ラインすら超えてしまうだろう。

 発電用石炭の輸送がスムーズに行っていないため、鉄道部は目下大秦線(大同−秦皇島)による東北と山西の石炭輸送のピッチを上げる一方、秦皇島埠頭において大型船舶による輸送も手配している。華中電網用の石炭の8割近くは山西と東北から来ており、しかも発電用石炭輸送の基幹ルートは大秦線のみである。

 しかし、連日の暴風雪のため、秦皇島埠頭の石炭は凍結しており、当面は人力によって石炭を掘り起こしてから積載するしか方法がなく、輸送の手間と時間が増えている。

 例年、発電用石炭の70%はトラックによって輸送するが、しかし、最近の石油価格高騰により自動車輸送の経済的負担が大きくなり、その上、華中地区全体の大雪のため輸送が不便なものになっている。

 (中国煤炭資源網 1月23日)