国家発展改革委員会(NDRC)は昨日、「当面の石炭並びに電力生産供給工作の適切な処置に関する緊急通達」を発し、一部地区で発電用石炭の逼迫が発生し、電力供給がタイトになっている中、民生用電力を優先的に確保するよう求めた。優先確保は、生活用、医院、学校、金融機関、交通の中枢、農業生産、優越産業など、公衆の利益や安全に関わる機関が対象になる。

　昨日の報道によると、発電用石炭の不足のため、全国の電力不足は6,963万kWに達し、13の省クラス電力網はすでに電力供給の停止や制限を行っている。NDRCによると、今回の逼迫は、渇水期に水力発電の出力発電の出力が低下して火力発電と発電用石炭の需要が大幅に増加したことが原因。また、山西省等の炭鉱事故発生や一部地区の炭鉱の休業によって石炭生産量が低下したこと、広範囲の降雪や道路の凍結のため石炭輸送に影響が出たことなども原因となっている。

　NDRCは石炭生産省に対し、全炭鉱を一律に生産停止したり、生産を停止したまま放置したりするような消極的な方法を是正し、安全条件に適っているにも関わらず生産停止となっている炭鉱の生産を直ちに回復して供給を確保するよう求め、また正常の生産に従事している炭鉱についても旧正月期間の生産と供給を適切に手配するよう求めた。NDRCは、石炭生産省は省外への発電用石炭供給に重点を置かなければならないとし、市場を分割したり、石炭の省外への輸送を制限したり、石炭価格以外の各種費用を不法に徴収したりしてはならないとした。また、NDRCは、石炭生産企業が石炭逼迫の機に乗じて、価格を釣り上げたり、濫りに値上げしたりすることを禁じ、そうした行為があった場合は、法に基づき摘発するとした。

　NDRCは、鉄道、交通部門に対しては、輸送の手配を強化するよう求めており、鉄道、交通部門は次のような措置を取ることになる。山西省北部の資源が減少している中、内蒙古西部地区等からの石炭の輸送を増やす。旧正月前と旧正月休暇中は乗客輸送が一時減るが、この間を利用して発電用石炭の輸送を図る。北方の中継港の石炭在庫については、在庫の減少している地区や発電所に分散する。道路交通の流れを円滑化して、水運やトラックによる石炭輸送効率を高める。

　（中国石化新聞網 1月24日）