1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

中国の低品質炭輸入制限で豪石炭企業に混乱 (15/07/09)
2015/7/16
中国【石炭】

 オーストラリアの炭鉱業者は石炭輸入に対する制限を停止して、両国の官僚に「状況を評価する」機会を与えることを中国に対して呼びかけている。中国は「大気汚染防止計画」の一環として低品質炭の輸入、販売及び使用に対して制限を追加した。

 しかしながら、《フィナンシャルタイムズ》が以前報道したように、オーストラリアの炭鉱業者は、こうした規定のため貨物船の中国への入港が不公正に阻害され、石炭海運貿易が大きな圧力に直面して輸出業者のコストが増加したと訴えている。

 エネルギー経済金融分析研究所 (IEEFA) のアナリストTim Buckley氏は《フィナンシャルタイムズ》に発表した評論の中で「一般炭海運市場は目下構造的な落ち込みの最中であり、昨年中国の石炭輸入量は11%減少した。今年は減少幅がさらに大きくなっている」と表明した。オーストラリアの炭鉱業者は中国の政策変更によって真っ先に打撃を受けている。炭鉱業者は「石炭に含まれる硫黄、灰分、フッ素やリンが制限基準以下であるかどうか、常に不安を抱いている。また、オーストラリア炭の売り手と買い手の間では、「もし石炭が品質テストにパスしなかった場合、どちらが経費を負担するのか」という問題をめぐって膠着状態に陥っている。ロンドンの金属コンサルティング会社CRU Groupによると、こうした不確実性のため、石炭供給業者は中国以外の買手を探しているところであり、そのため取引活動や貨物の引き渡しに遅れが生じている。

 最近湧き起った「中国の輸入炭の品質に対する規制強化」の波は、大気汚染防止という国際化石燃料市場を席巻しているもっと大きな流れの一環である。インドネシアはすでにライセンス制の計画を発表して、石炭輸出入量を制限している。中国も輸入制限を追加しており、このことは中国がエネルギー集約型製造業に対する関心を強めていることを示すものになる。貿易業者は「ますます多くなる輸出入制限が業務にいかなる影響を及ぼすのか」という問題を検討することが求められる。環境、経済や石炭生産業者に対する新たな規定の影響については依然不透明であるが、石炭海運貿易の長期的な生命力に対してはすでに疑問が投げかけられている。

 (騰訊財経 7月9日)