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【石油・天然ガス】

中国の天然ガス市場需要は前途有望 (15/07/13)
2015/7/22
中国【石油・天然ガス】

 世界の資源市場が萎縮し石油・天然ガス価格が激しく変動し、天然ガス需要の伸び率が下がり、エネルギー供給構造に大きな変化が発生している。こうした中、中国は天然ガス価格の市場化に向けた改革を前向きに推進して天然ガス価格の一本化を実現し、天然ガス電子商取引も開始した。全体的に見て、天然ガス市場の取引は日増しに活発になり、前途は有望である。

 近年、経済成長の加速に伴って環境保護問題がますます重視されるようになり、アジア地区の天然ガス需要は日増しに増加している。アジア地区は世界の重要な石油・天然ガス輸入エリアになりつつあり、対外依存度も一貫して上昇している。業界関係者によると、天然ガス消費の伸びが最も高い国の一つである中国は近年天然ガス価格改革を急いでおり、上海石油天然ガス取引センターの開設は中国の価格決定システムの完備に効果を上げる。天然ガス市場には価格システムの不備や困難なシェールガス探査等の問題が付きまとうが、大気汚染やスモッグなど現実の環境保護圧力の下で、天然ガス消費のシェア上昇は必然の流れになっている。

 国務院が2014年に通達した《エネルギー発展戦略行動計画(2014〜2020年)》は2020年に一次エネルギー消費に占める天然ガスのシェアを10%以上とし、天然ガス利用量を3,600億m3とすることを打ち出した。業界関係者によると、生態系と環境の保護は中国の天然ガスの発展にとって重要な推進力になる。また、他の研究によると、「新常態」の下で、天然ガスは短中期的なエネルギー構造調整において主力になるだろう。2030年には中国の天然ガス需要は5,500億m3を超えることになるが、国内の在来型天然ガス開発のポテンシャルには限りがあり、そのため、炭層ガスやシェールガスなど非在来型天然ガスに発展のチャンスがもたらされる。

 また、先日開催された2015年第12回アジア天然ガス大会からの情報によると、天然ガスから高い価値の化学品を効率的に抽出する研究がすでにブレークスルーを遂げており、このことも天然ガス需要を促進する原動力になる。

 世界の資源市場の萎縮、石油・天然ガス価格が激しい変動、天然ガス需要の伸び率低下などエネルギー供給構造に大きな変化が発生している中で、地域のエネルギー体制改革や天然ガス価格改革をどのように推進するかは、アジア太平洋市場の急務になっている。

 2015年は中国の天然ガス市場化改革の鍵になる。「3ステップ」の改革によってn天然ガス価格を政府公定価格から市場化価格への平穏な移行を実現する。今年4月1日、中国は「存量ガス」(2012年の実際の使用量)と「増量ガス」(2012年以降の新規増加量)価格の一本化を実現するとともに、需要家への直接供給価格を試験的に自由化した。これは資源配置における市場の決定的な作用を発揮させるものであり、天然ガスのオンライン公開取引の地ならしになる。

 7月1日には上海石油天然ガス取引センターが試験運営を開始した。これは中国の天然ガス市場化改革に深遠な影響を及ぼすことになる。卓創資訊のアナリスト劉広彬氏によると、上海石油天然ガス取引センターは世界の石油・天然ガス資源のフローと市場構造の重大な変化の必然的産物であり、アジア太平洋地区の石油・天然ガス市場の急成長と重要性の上昇の必然的結果である。また、中国のエネルギー産業の市場化改革の重要成果でもある。

 劉広彬氏によると、中国は市場の需給を反映する天然ガス価格を形成することが必要であり、国際市場もオープンで透明度の高い市場を通して中国の真実の天然ガス需要を理解しなければならない。上海石油天然ガス取引センターは規範的なマネジメント、専門的な運営、透明度の高い取引を進め、常に新しいモデル、方法、手段を模索して、可及的速やかに取引規模を形成し、公認の中国天然ガス価格を見出して確立することになる。

 中国は世界で4番目の天然ガス消費国であり輸入国である。天然ガス対外依存度はすでに3割を超えている。業界関係者によると、上海石油天然ガス取引センターが稼動すると、取引主体が増加し、特に海外の取引主体が参入することで、天然ガスの取引はますます活発になる。

 (新浪財経 7月13日)